私の十八番はチェッカーズ。
「3」「2」「1」「ドッカーン」
「わーい」「なぜなにじえいたい」
「さあ続きよ、話しなさい」
「わ、分かったよ睨むなよ」
「お姉さん今週は気合が入ってるね。どうしたの ?」
「しまゆき君、そうやって話を違う方向へと持ってくのは良くないと思うの私」
「うっ ! 今週のお姉さんはいつもと違うよ作者。諦めて続きを話した方がいいよ」
「クッ、そうか……。だから分かったって、笑いながら顔を近づけるのは止めてくれ。えーと、どこまではなしたっけ ?」
「朝の六時ごろ、バイクで通勤中に信号で止まっている前の自動車の助手席の人が左にあるビルを見て『あの子大丈夫かしら』って言ってたところからよ」
「そうでした。この時はまだ女性を視認できなくて、信号が変わり動き出してからようやく見ることができたんだ」
「と言うことは女性はビルの中にいたの ?」
「いや、その小柄な女性はビルの横、車一台ぐらいのスペースに足を抱えその足に顔をうずめるいわゆるウンチンぐスタイルで蹲ってたんだ」
「大変 ! すぐにバイクを歩道に止めて女性に声をー、かけれる訳ないか」
「そのとおり。もう信号は青だからね、止まれないよ」
「また華麗にスルー、しちゃったんだね。でも人としてあり得ないよね」
「きっと後ろの人も泣いてるわ、作者を信じて今度こその三度目だったのに」
「それについては申し訳なく思ってます。でもさ、これで分かったはずだよね ? 私に女性をくっ付けようと思ったら女性の方から話しかけてもらわないとね」
「本当にクズね」
「うん、僕もここまでとは思わなかったよ」
「待ってくれ、クズなのは認めるがそんなに私がわるいのか ? ララバイララバイお休みをー」
「はいそこ、歌わない」
「私の十八番なのにぃ」
「ともかく、これで三人、いや一番最初が二人いたから四人か。四人の女性にアプローチするチャンスを無くしてしまったんだね作者は」
「そうね、せっかく用意してくれたのにね」
「私もね、次は必ず声を掛けようと思ったんだけど……、次が無いんだ」
「世の中そんなに甘くない。てぇことよ。それじゃーみんなー」
「「「バイビー」」」
ガタン、と終わりのフリップが落ちてくる。




