壱岐の福江港。その二。
「3」「2」「1」「ドッカーン」
「わーい」「なぜなにじえいたい」
「はーい、やっと何故なに自衛隊と胸を張って言えるようになりました。私は解説の和美お姉さんよ、そしてー」
「僕は護衛艦の妖精しまゆき君さ。さらにー」
「ども、作者です」
「本当に良かったわ。さあ、今週も自衛隊のことを話すわよ!」
「今日は気合が違うねお姉さん」
「当り前よ、クラッカーでも何でも持って来い! なーんてね」
「お、おう、それじゃあ先週の続きから話そうか」
「うん、確か先週は壱岐の福江港に十隻近い艦隊で入港して錨を下したんだよね?」
「ああ、それぞれの艦には内火艇が二艇づつ搭載されてるから上陸するときは大変だったよ」
「内火艇じゃ普通の岸壁には接岸できないから?」
「そう、福江港には浮桟橋が一つしかなくてね。大変な混雑だったよ」
「待って、その浮桟橋ってどんなの?」
「浮桟橋てぇのは文字道理浮いてる桟橋さ」
「バカ、そんなんじゃわかんないわよっ。もっと詳しく」
「む、むずかしいなぁ。浮桟橋は一辺が十メーターほどの四角いフロートで、岸壁から橋を渡されてるんだ。潮の満ち引きに対しても上下するんで便利なんだ」
「そうそう、ちゃーんと説明しないとね。ちなみに高さ的にも内火艇と近いので乗り降りが楽なのよ」
「はいはい、そうですよ。で夕方から夜までの上陸なので観光とかには行けず、結局みんな飲みに行ってしまうんだ」
「作者も飲みに行ったの?」
「いんや、覚えているのは小さな本屋さんに入ったことぐらいだよ」
「そこでエロ本とか買ったのね、今晩のおかずを」
「ばっ、そんなの買うかっ! エスパー魔美を二冊買ったのさ、テントウムシコミックじゃない初版本を」
「エスパー魔美のコミック? なんかあやしいな、さてはー」
「鋭いなしまゆき君、そう、そのコミックには絵のモデルをやってる摩美のセル画が付いてたんだ」
「やっぱりおかずじゃない!」
「な、なにを言うんだ。セル画だぞセル画、普通の絵とは違うんだっ」
「もういいわよ、他のみんなが飲んでる時に作者はそんなことをしてたのね。さ、続きよ続き」
「お、おう。そしていよいよ帰る時刻が近づいてくると、みんなが桟橋へと集まってくるんだ」
「あー、酔っぱらいの集団が集まってくるんだ」
「そうなんだけど海の上も大変なことになってたんだ。明るい夕方は何とか順番に付いたり離れたりしてたけど、暗くなると難しくなる」
「何よ、港なら煌々と明かりが点いてるでしょ?」
「それは都会の港だよ。田舎の港は堤防の先端に一個だけ、というのがざらにある」
「「うわ」」
「と言うことで続きは又来週。それじゃーみんなー」
「「「バイビー」」」
ガタン、と終わりのフリップが落ちてくる。




