帰宅編その七
「3」「2」「1」「ドッカーン」
「わーい」「なぜなにじえいたい」
「はーい、今週も帰宅編いってみよー! 私は解説の和美お姉さんよ。そしてー」
「僕は護衛艦の妖精しまゆき君さ。更にー」
「はいどうも、作者です」
「お昼を過ぎると少し天気が回復してきたわね」
「そうだね、もうすぐ豊後水道だし外に出られるみたいだよ」
「あ、ほら見て、島が見えるよ」
「ばかね、あれは大分県よ」
「じゃあこっちは四国?」
「えっ、う、うんたぶんね」
「そんなことより二人とも外に出るよ」
「待ってよ作者、今行くからっ」
「おおっ、久しぶりの海風だ。何回かここ通っているはずなのにぜんぜん覚えてないな」
「仕方ないよ、海と遠くに陸しか見えてないんだから」
「でももっと近づいたら分かるでしょ?」
「え? 無理だよ。何年ぶりだと思ってるんだか」
「でもさっきまで船と会わなかったのに、増えてきたね」
「陸に近いからね、昔みたいに艦橋に報告してみるかな」
「やってみそ、しくったら笑ってあげるから。あそこの貨物船で」
「ㇰッ、いらぬプレッシャーを。貨物船一隻ー」
「はいしくった、まずは艦橋を呼ばないと」
「そこからかよ、艦橋ー右見張り、又は一番」
「はい艦橋」
「返事まで、貨物船一隻右三十度反航、……七〇。方位角右二十度」
「今距離を忘れてたでしょ?」
「ひ、久々だったから距離がつかめなかっただけだよっ」
「まあ、そういうことにしておきましょうか」
「ㇰッ」
「ほら作者、貨物船が取り舵したわよ」
「えっ、まだやるの? えー、先ほどの貨物船方位角変わった、右五十度」
「艦橋了解。やればできるじゃない」
「ふぅ、何をやらせるのやら」
「お姉さん作者、二人とも中に入ろうよ。もうすぐ夕食の時間だよ」
「そうね、ご飯食べたらいよいよ九州上陸ね」
「心配なのが、ちゃんとバイクのエンジンがかかるかどうかだよ」
「ああ、おもいっきり倒してるしね」
「何言ってるのよ、もうなる様になるわよ。さあ、ご飯よ」
「あ、待ってよ、終わりの挨拶忘れてるよ。それじゃあみんなー」
「「「バイビーー」」」
ガタン、と終わりのフリップが落ちてくる。




