帰宅編 その三。
「3」「2」「1」「ドッカーン」
「わーい」「なぜなにじえいたい」
「はーい、今回は帰宅編の三回目ね。私は解説の和美お姉さんよ、そしてー」
「僕は護衛艦の妖精しまゆき君さ。これって何回まで続くの作者?」
「えっ、そんなこと聞かれても……、帰宅するまでかな」
「作者にそんなこと聞いても仕方ないわよ、毎回適当に書いているだから」
「そ、そうだね。ごめん」
「いや、謝らなくてもー」
「それより今回はいよいよフェリーに乗り込むのよね?」
「うん、横須賀から新門司港までのフェリー『ソレイユ』にね」
「『ソレイユ』? たしかターンAガンダムで月の女王様が乗っていたー」
「そうだねしまゆき君、でも少し黙っとこうか」
「花の名前よね? ソレイユって」
「うん正解、流石お姉さん。私はターミナルでピラフを食べながらずっと待ってたんだ」
「何を食べてたかは関係ないわよ。やっとのりこむのね」
「そう、一番に並んだから一番に乗り込むんだ」
「そりゃあ昼前から並んでたら一番になるよ。夜の十二時出発なのに」
「う、とにかく私は一番に乗り込んで船員に誘導されて端の方へと向かったんだ」
「そこで悲劇、いえ喜劇が起こるのね?」
「周りの人にとっては喜劇でも、私にとっては悲劇だったんだ! まさかあそこでー」
「でもちゃんとスタンドを立てたんだよね?」
「立てたさ、でも端っこだったから少し斜めになってたんだよ。それに荷物が重栖過ぎたんだ」
「重心がかなり上にあったのよね」
「そう、斜めにする勢いも加わってまるで一本背負いされたかのように投げ飛ばされたんだ」
「「バイクは、バイクは大丈夫だったの?」」
「二人とも私ではなくバイクの心配かよ……」
「な、何よ、バイクが壊れてたら帰れないじゃない。最悪門司港で立ち往生よ」
「確かにそうだけど」
「それに体が傷ついてもほっとけば治るけど、バイクはお金がかかるよ?」
「確かにしまゆき君の言う通りだね。でも納得いかねぇ」
「で、バイクは壊れてたの?」
「あ、ああ、コケた時は分からなかったけど、後で左のハンドルカバーが折れてるのに気づいたよ」
「それだけ?」
「ああそれだよだよ」
「なら走行に問題ないわね。それでどうでもいいけど作者の方は?」
「どうでもいいのかよ。上半身の方はプロテクター付けてたから、左足は飛ばされたから下敷きにはならなかった。ただー」
「右足? 右足なんかどうやってケガするの?」
「ステップにやられたんだよ。クッキリとステップの丸い跡が残っているんだ、脹脛の所に」
「あー下から突き上げられたんだね?」
「多分そう。もうコケた時は焦りまくったよ、一緒にバイクを起こしてくれたけどスタンドが立ってたからなかなか起きなくて」
「それに荷物が重いしね」
「そうなんだ。もう周りを待たせるし、大変だったよ」
「あっと、そろそろ時間だよ。やっと乗り込んだ所なのにね」
「あらそうね、次回は船内の解説ね。それじゃあみんなー」
「「「バイビーー」」」
ガタン、と終わりのフリップが落ちてくる。




