あの事件の解説。
「3」「2」「1」「ドッカーン」
「わーい」「なぜなにじえいたい」
「ハーイ、今週も時間だよー、みんな集まれー。私は解説の和美お姉さんよ、そしてー」
「僕は護衛艦の妖精しまゆき君さ。さてお姉さん、今週のお題はもう言うまでもないね」
「そうね、勿論あの事件よ」
「だよね」
「そう、海上自衛隊海将補の暴言事件よ」
「うん、あの痛ましいーえっ!? 海将補の暴言?」
「ええ、海将補が部下に対してバカ野郎!! って怒鳴ったんですって。いいわね、私も怒鳴られてみたいわ」
「待ってお姉さん、どうしてそれをチョイスするの? 今は断然ー」
「分かってないわねしまゆき君は、あの報道で隠れてしまった事件は意外なところで繋がってるのよ」
「そうなのお姉さん! 流石だね、そんなことが分かるんだ」
「フフン、まあ適当に言っただけだけどね」
「……本気でほめたのに、損した気分だよ」
「冗談はさておき本題に入りましょうか」
「本題って、ただ海将補が部下に暴言を吐いて訴えられた。だけだよね?」
「うっ、そ、そうね。だけどー」
「詳しい事は分かってるの? どんな部署でその部下がどんな事をしてその海将補がそれに対してどんなふうに怒ったのか」
「……そ、そんなのー」
「どうでもよくないからね、解説するならもっとしっかり情報を集めてから解説をするようにしないとねお姉さん」
「う」
「う?」
「ううっ、しまゆき君がいじめるよ~。もうすぐ最終回なのにー」
「最終回は関係ないよっ、いじめてもいない。ちゃんとした解説をしてほしいだけだよお姉さん」
「じゃあ私の解説文句言わずに聞いてくれる?」
「分かったよ、分かったからそんなウルウルした目で僕を見ないでっ」
「ウフフ、それじゃあまず私が何で叱られるのがうらやましいと言ったのかを解説するわね」
「あ、さっき言ってたねそんなこと」
「階級で言うと海将補は上から二番目、昔の階級では中将に当たるわね。下っ端の兵からすると正に雲の上の人よ、そんな人に怒られるなんて羨ましいわ」
「なんでさ、僕だったらそれこそ自殺しちゃうよ」
「何言ってるのよ海将補よ、海将補。俺もそんな人に怒られる様になったんだ。って思わないの?」
「思わないよっ! 絶対に。それにそんな人が怒るんだから、それこそ人命にかかわる失敗だったかも知れないよ」
「んー、結構ただ単に気に食わなかっただけかも知れないわね」
「そこは憶測しても仕方ない所だよね。あっ、そろそろ時間だよお姉さん」
「あら、このネタだけで一本できちゃったわね」
「次回はちゃんとあの事件を解説してよね」
「そうね、作者は三十年前の山口発砲事件の時教育隊にいて、正に射撃訓練中だったそうだから何か聞けると思うわ」
「へえ、それは楽しみーいや、そんなこと言っちゃダメだよね」
「そうよ、今は何でもホワイトなんだから。それじゃあみんなー」
「「バイビーー」」
ガタン、と終わりのフリップが落ちてくる。




