訂正。
「3」「2」「1」「ドッカーン」
「わーい」「なぜなにじえいたい」
「ハーイ、今週もなぜなに自衛隊の時間となりましたー。私は解説の和美お姉さんよ、そしてー」
「僕は護衛艦の妖精しまゆき君さ。さてお姉さん、今週のお題は?」
「えっとその前にね、訂正があるの」
「訂正? 先週の『くらま』の回の?」
「そうよ、『くらま』の衝突でケガ人が出たって言ったでしょ。私てっきり航海保安で艦首に固まっていた数人が逃げ遅れてケガしたものとばっかり思ってたのよ」
「違ったの?」
「記事を改めて見たら違ってたのよ、どうやら火災の消火時にケガ人が出たみたいなの」
「えっ、そんな大きな火災じゃなかったよね? 艦首が燃えてたみたいだけど」
「ええ、ペイント庫が燃えたから油火災ね」
「そんな油火災は『丸タンク』と『機関室』でみんな訓練してるし、それこそ防火防水は毎日の様に訓練してるのにケガ人がでるなんてー」
「おかしいと思うでしょ? それが全然おかしくないのよ」
「ど、どうしてお姉さん?」
「それはね、場所的な問題よ」
「場所?」
「そうよ、その前にまず地上での防火訓練だけど、水の上に少量の油を入れて燃やしてるの。でも今回は大量の油が燃えてるのよ、訓練通りに消火は難しいわ」
「なるほど、ペイント庫の中にはペンキの他にシンナーや軽油みたいな色々な油が格納してあるからね」
「そのとおりよ。次に場所ね、艦は前に進むにつれてどんどん狭くなってるのよ。丸タンクの様に横に並ぶことができないの」
「そうか! 消火ホースは一本しか使えないんだ」
「まだあるわよ、防火の解説でも言ったけど訓練は居住区でしかやってないのよ。他の場所では一回もやってないの、だから色々と勝手が違うでしょうね」
「原因の一つが場所で、もう一つが油の種類か。シンナーなんか爆発しそうだもんね」
「実際どんなふうにケガ人が出たのかは分かんないけど、たぶんこんな感じだと思うわ」
「これからはいろんな場所で訓練してほしいね」
「そうね、でも後片づけなんかは居住区が楽なのよ」
「精密機械とかもないからね」
「CĪC とかソーナー機室なんかは絶対火災現場にはなんないでしょうね」
「一番電気火災になりそうな場所なのにね」
「さて、今週はここまでね。最終回まであと少し、……どうしょうか?」
「お姉さんマジにネタが無いんだね」
「ええい、もうなる様になるわよ! それじゃあみんなー」
「「バイビーー」」
ガタン、と終わりのフリップが落ちてくる。




