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呪われちゃった艦。

「3」「2」「1」「ドッカーン」


「わーい」「なぜなにじえいたい」


「……はい、ハァ。なぜなに自衛隊の時間、ハァ……、になっちゃいました」


「お、お姉さん、さっきから元気がないけどー、どうしたの?」


「うん、これから解説する護衛艦のことを考えるとね、落ち込んじゃうのよ」


「えっ! お姉さんを落ち込ませる護衛艦なんてあったの!?」


「なによ、棘のある言い方するわね。私だって女の子よ、酷い話を話す時は落ち込んだりするわよ」


「そ、そうだよね、お姉さんは一応女性だもんね。で、お姉さんを落ち込ませる護衛艦ってー」


「『たちかぜ』よ、別名呪われた護衛艦とも呼ばれているわ」


「呪われた護衛艦! 『かぜ』と名前に付いているからターターミサイルを搭載した護衛艦だね」


「そうよ、『あまつかぜ』と同じ後甲板に対空ミサイルを搭載した艦よ。後に前甲板に搭載した新しい艦が出てくるわ」


「ターターミサイルと言えば一般公開の時に実弾がシュコーン! と出てきた武器だね。これも『たちかぜ』だったのかなぁ」


「かもね。話を戻して一般的に何故『たちかぜ』が呪われた艦と言われるようになったのか、と言うとね有名なのが裁判沙汰になった自殺があったからなのよ」


「裁判沙汰は珍しいけど、自衛隊で自殺はそんなに珍しい事じゃないよね?」


「……そうね、自衛隊で自殺は珍しい事ではないわ。でもその自殺が続いたのが『たちかぜ』なのよ」


「えっ、一回だけじゃないの?」


「ええ、この事件は横須賀であった事なんだけど実はその前に佐世保でも自殺者が出てるのよ」


「と言うことは同じ艦で二人も自殺者が」


「いいえ、佐世保では二人以上死んでるわ」


「二人以上! 一体何があったの?」


「当時何故か佐世保では自殺が流行っていたのよ、それも金銭問題で」


「それって流行る物なの!?」


「原因は分かんないけど、当時艦が停泊する倉島ではカモメよりカラスが異常に多かったわね。それもPXがある裏の森で自殺者が出たからだ。とも言われているわ」


「港なのにカモメよりカラスが多いなんて……、佐世保全体が呪われてたのかな?」


「当時は金銭的に破綻する人が多かったのよ。作者も海曹一人と士長一人、合わせて二人にサラ金のカードを渡していたし。アコムとレイクね」


「カードを他人に! どうしてそんなヤバイことを」


「当時は金銭感覚がおかしかったのよ。それに色々と手心を加えてもらえるでしょ?」


「それでどうなったの? ちゃんと返してもらえたの?」


「ええ、海曹の方は班長の前でお金の受け渡しをしたのでバレてしまって大変だったわ。海士長の方は退職した後にカード会社から返済が滞っていると連絡があって、慌てて佐世保まで行って偶然入港していた艦に乗艦していた士長に会うことができたそうよ」


「無事返してもらったんだね、よかったよ」


「そうね、一歩間違っていたら作者も自殺者の仲間入りだったわね」


「あっ、もう時間だよお姉さん」


「あら、でも最後にもう一つだけね。これはある乗員から聞いた話なんだけど、夜に『たちかぜ』と並走して走っていた時に後方から火の玉が現れて『たちかぜ』の煙突に吸い込まれていった。と言う話もあって、みんなから呪われていると言われる様になったのよ」


「煙突に入るなんて変な火の玉だね。それじゃあみんなー」


「「バイビーー」」


 ガタン、と終わりのフリップが落ちてくる。

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