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もちづき。が好き!

「3」「2」「1」「ドッカーン」


「わーい」「なぜなにじえいたい」


「はぁ……、皆元気だった? そう、私も何とかやってるわ。解説の和美お姉さんよ、そして」


「ぼ、僕は護衛艦の妖精しまゆき君さ。お姉さん何だか疲れてるみたいだね、どうしたの?」


「やっぱり不定期放送止めない? 不規則はお肌にも体にもわるいものよ?」


「ああ昨日と今日、そして明日も放送予定だからね。でもお姉さんはこの放送以外何も予定ないよね?」


「……まあ、そうなんだけどね。お金が入るだけいいかっ、よし! 気分を変えて頑張るわよしまゆき君」


「うん、やっぱりお姉さんは何も考えない方がいいと思うよ。それで今日の艦は何?」


「今日の艦はねぇ……。しまゆき君、今私のことバカにした?」


「ぜっ、ぜんぜん! そんなことないよ。元気なお姉さんが一番かわいいって意味だよっ」


「そう? あはは、そんなに褒めても缶コーヒーぐらいしか出ないぞっ」


「お姉さんが缶コーヒーを? ……」


「ちょっと、どこ行くのよっ」


「いや、家が心配になって。天変地異で跡形もなく吹き飛んでないかと……」


「…そうね、心配よね。でも今は大丈夫よ安心して、この放送が終わるまでは無事よ」


「お、お姉さん、冗談はこれぐらいにして、解説を始めようよ」


「( ̄∇ ̄;)ハッハッハ、本当に冗談はこれぐらいにして。それじゃあ今日解説する艦は『つき』クラスよ」


「あ、うぇ? あの最新鋭護衛艦の?」


「ばっ、バカね、そんな護衛艦解説できないわよっ。解説するのは『たかづき』型護衛艦よっ。『まきぐも』と進水した時期は変わらないのよ」


「なぁんだ、それじゃあ武器や大きさも変わらないの?」


「それが大きくなってるし、武器も強力になってるのよ。一緒のもあるけど」


「どれぐらい大きくなったの?」


「3100トンでとうとう三千トンを超えたの、乗員も270名だからそれなりに増えてるわね」


「武器の方は何が変わったの?」


「大砲が三インチ砲じゃなくて五インチ砲になってるわね、後は『まきぐも』と変わらないわ」


「フムフム、『つき』クラスも対潜用に造られた艦なんだね」


「そうよ、大砲以外は全部対潜武器よ。そして特徴的なのが艦首に搭載されたボフォースね」


「あ、昨日も言ってたね、息の長い武器だって」


「ええ、でも搭載されたのはこの『つき』クラスまでね。次の『ゆき』クラスからは対艦対空武器が出てくるわ。そしてボフォースには致命的な事件が起きるのよ」


「事件? あっ、だいぶ前にあったね。荒天の時だっけ?」


「よく覚えてたわね。そうよ、荒れた海を航行中に艦首から波に突っ込んだら『もげちゃった』のよ」


「一応波除もあったはずなのにね」


「やっぱり細い軸だけじゃあ折れちゃうのよ。『まきぐも』では艦橋の下だからもげないけど、艦首じゃねぇ……」


「設計ミス、と言えなくもないね。あっ、時間だよお姉さん」


「あらそうね。次回はどうしょうかしら、解説できる古い船が無くなってきたわね」


「まあその時は新しい企画を考えようよ。それじゃあみんなー」


「「バイビーー」」


 ガタン、と終わりのフリップが落ちてくる。

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