かとり、その二。
「3」「2」「1」「ドッカーン」
「わーい」「なぜなにじえいたい」
「ハーイ、今日もなぜなに自衛隊の時間だよー。私は解説の和美お姉さんよ、そしてー」
「僕は護衛艦の妖精しまゆき君さ。……そうだねお姉さん、今日も、だよね」
「そうよ今日も、よ」
「安心してよお姉さん、明日から暫く休日が無いから週一若しくは二だよ」
「いいのよ毎日でも、でもね流石にネタがね。ハッ! しまゆき君、チョット聞きたいんだけど」
「ダメだよ、もう番組始まっているから後にしてよお姉さん。それで今日のお題は昨日の続きだよね?」
「あ、う、うん、『かとり』の続きね。確か形状からだったわね」
「そうそう、形をしっかりと、分かる様に解説してよ」
「OK了解よ。見た目から言うと『かとり』は『くらま』みたいなヘリを搭載した形に似てるわね。まあ格納庫が実習幹部の講堂になってる感じかしら」
「なるほど、後甲板はヘリ甲板になっているんだね。なら前甲板は?」
「それも『くらま』に似てるわね、くらまは五インチ砲を二つ段差を付けて並べているけど『かとり』は三インチ砲を二つ段差を付けて並べてるのよ」
「わあ、それ大和みたいでカッコいいね。最近じゃあ見ない配置だよね?」
「そうよね、最近の大砲は前甲板に一門のみよね。そうそう『かとり』は礼砲も搭載してたのよ、流石外国を周る艦よね」
「あ、外国で礼砲を打ち合うんだよね。僕も見たかったよそれ、だけど大砲しか搭載してなかったの? かとりは」
「当然対潜武器も搭載していたわよ、ボフォーロケットスランチャーをね」
「あ、『まきぐも』も搭載していた爆雷を遠くへ飛ばす奴だよね?」
「流石ねしまゆき君、よく覚えてたわね」
「まあね、元まきぐも君だからね。でも『かとり』はアスロック搭載してないんだね?」
「ええ、そこまでスペースが無かったんでしょうね。大体こんな感じかしら、後はレシェプション関係ね」
「あ、アレだね、各港で要人を招いてパーティーだね」
「そうよ、その為の設備があるのよ。ヘリ甲板には天幕を広げて夜に開くのよ」
「でも『かとり』の乗員は慣れていても、他の艦の乗員は接待するのはー」
「接待と言っても飲み物をオボンに乗せて、参加者に配るだけよ。たまに落として割っていたけどご愛敬よ」
「まあ本職じゃないからね」
「あとは搭載量の多さよね、『まきぐも』はアスロック弾庫を倉庫にして色々積み込んだけど、それでも足りなくなるものがあったの」
「缶ジュースだね」
「そうなのよ、『かとり』は余裕があったのだけど港に着く度に『まきぐも』から買い出しに来るもんだから余裕が無くなって出入り禁止になるのよね」
「他の艦もそうだったのかなぁ」
「うーん、『しまゆき』ではなかったみたいだから元々搭載量が少なかったのかもね」
「あっ、もう時間だよお姉さん」
「そうね、次回はどんな艦を解説しょうかしら。それじゃあみんなー」
「「バイビーー」」
ガタン、と終わりのフリップが落ちてくる。