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練習艦『かとり』

「3」「2」「1」「ドッカーン」


「わーい」「なぜなにじえいたい」


「はいはーい、今度こそ一週間ぶりね。なぜなに自衛隊、私は解説の和美お姉さんよ。そしてー」


「僕は護衛艦の妖精しまゆき君さ。それで今回のお題は何かな、お姉さん?」


「サラッと流したわね、まあいいわ。今週のお題は『練習艦かとり』よ」


「あれ? 練習艦の名前が違うよお姉さん。確か練習艦はー」


「いいのよ『かとり』で。作者が見てるのは一つ前の練習艦なんだから」


「そっかぁ、三十年も前だからね。それじゃあ『かとり』の解説をお願いするよ、お姉さん」


「了解よ。『かとり』が建造されたのは大体『まきぐも』と同じ昭和四十年代なので、殆ど同じ武装をしているのよ。搭載してないのはアスロックだけね」


「同じ年代だとそうなるよね。あ、トン数や大きさ、形なんかもお願いするよお姉さん」


「あ、そうね、まずはそこからよね。基準排水量が3350トンで全長が128mあるわね、乗員は460名でその内165名が実習幹部ね」


「三千トンの艦にそんなに乗ってるんだ、二千トンの『まきぐも』の倍以上だね」


「そうね、でも居住性は良かったでしょうね。勉強ができる講堂があったり実習幹部専用の居住区まであったんだから」


「あ、遠洋航海に付いてくる護衛艦にも実習幹部が乗ってたんだよね? その人たちの居住区はどうしたの?」


「勿論実習幹部専用の居住区なんて無いわよ、乗員を移動させ、居住区を開けさせててからそこで寝起きしてたわ。当然机は小さいのが一つだけだから講堂替わりになるのが食堂になるわね」


「なんか……、護衛艦に乗艦する実習幹部は大変そうだね」


「乗員も大変よ、ずっと使っていた居住区を追い出されて違う分隊の居住区に入れられるのだもの」


「あ、以前言っていたベッドの場所が変わるんだね? 覚えるのが大変だ」


「そう、そうなのよっ! あ……、話が変な方向に行きそうね。話を『かとり』に戻すわよ」


「あ、そうだね。じゃあ『かとり』の形状はどうなってるの?」


「任せて、こっちにパネルがあるのよ。よいしょっと、どう? バッチリ写ってるでしょ?」


「……お姉さん、テレビじゃないんだから」


「えっ! この番組はテレビよね? ちゃーんとスタジオでカメラさんも居るし」


「あっ、そ、そうだよ、テレビだよ。でも、でもさ、みんなが分かる様に言葉でもちゃんと説明してよお姉さん」


「しまゆき君、もしかして……」


「な、何かな? お姉さん」


「しまゆき君は障碍者の人達にも配慮してほしいのね! 凄いわしまゆき君、私感動したわ!」


「えっ、あ、そう、そうだよお姉さん。配慮は大事だよ。あ、でも時間だよお姉さん」


「あら、じゃあ続きはまた来週。でいいのよね?」


「う、うん、でも明日ももしかしたら放送するかもだから準備だけはしといてよお姉さん」


「了解よ。それじゃあみんなー」


「「バイビーー」」


 ガタン、と終わりのフリップが落ちてくる。

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