駆潜艇 その二。
「3」「2」「1」「ドッカーン」
「わーい」「なぜなにじえいたい」
「はーい、今週も……」
「どうしたのお姉さん?」
「ん、うん、なんかさっき収録が終わったようなぁ……」
「き、気のせいだよお姉さん。ちゃんと先週の放送から一週間過ぎてるよ」
「そうよね、私ったらどうしたのかなぁ。気を取り直してー。私は解説の和美お姉さんよ、そしてー」
「僕は護衛艦の妖精しまゆき君さ。さ、さぁーて、今週は先週の続きで駆潜艇の武器、からだよ」
「了解よ、しまゆき君。先ずは対空武器の四十ミリ連装砲よ、これが一基ね。次からは皆対潜武器よ」
「あ、お姉さん速力、駆潜艇の速力をまだ言ってないよ」
「わっ、ごめんなさい忘れてたわ。速力はね最大二十ノットよ。『まきぐも』で言うと第二戦速ぐらいね」
「小型艦にしてはそんなに早くないんだね」
「まあ同じ艇でも魚雷艇とは形が違うからね、仕方ないわよ」
「それじゃあいよいよ対潜武器を解説してよ」
「解説と言っても扱ったことのない古いのばかりなのよ、詳しく知りたいなら自分で調べてね」
「ほとんど丸投げ……」
「いいから。対潜武器といったらこれでしょ? 爆雷よ、54式爆雷投下軌条って言うんだって」
「爆雷!? 自衛隊も爆雷持ってたんだね」
「爆雷は舵やスクリューを壊すから大戦が終わったら使わらなくなったイメージがあるわよね」
「そうだよ。もしかしてまだ古い武器あるの?」
「あるわよ~、でも爆雷よりかは新しいわね。ヘッジホッグ対潜迫撃砲って言うの」
「迫撃砲って、陸自が使っているあの迫撃砲?」
「少し違うわね、弾自体は迫撃砲弾みたいに小型なんだけど、それが束ねられていて一気に十個ほどを発射して潜水艦を取り囲もう。という武器なの」
「なんか……、めんどくさそうな武器だね」
「でも面白い武器なのよ、発射の角度を変えて着水時の模様を変えることができるの」
「模様って縦長にしたり横長にしたり?」
「そんな感じね。だけどあまり効果が無かったみたいで搭載艦は少ないわ」
「だろうね」
「次は定番の短魚雷発射管ね、これは今の護衛艦にも搭載されてるから解説はいらないわよね。問題なのが短魚雷落射機なのよ」
「えっ、短魚雷を落とすの? 爆雷みたいに?」
「それが見たことが無いから分からないのよ」
「えっ、たしか作者は見たことがあるってー」
「そんなにジックリ、とは見てないみたいよ。それにかなり前だし直ぐに佐世保の駆潜艇は廃艦になったみたいだからー。ああっ、もう時間よしまゆき君」
「はいはい、そうですね。終わりますか」
「今日はなんだか物凄く疲れたわ、……ねえ本当にー」
「そ、それじゃあみんなー」
「「バイビーー」」
ガタン、と終わりのフリップが落ちてくる。




