しまゆき君、興奮する。
「3」「2」「1」「ドッカーン」
「わーい」「なぜなにじえいたい」
「はい、今週もなぜなに自衛隊の時間となりました。私は解説の和美お姉さんよ、そしてー」
「僕は護衛艦の妖精しまゆき君さ。今週は僕の話だよねお姉さん?」
「そうだけど何だか嬉しそうね」
「当り前だよ、僕が少女を救ったんだよ。賞賛されてもいいよね?」
「う……」
「どうしたのお姉さん? 元々変な顔なのに更に変な顔して」
「よく聞いて、しまゆき君」
「あ、あれ? 怒らないの? 自分で言うのもなんだけどさ、今冗談にしても酷い事言ったよね?」
「そんなことどうでもいいの。ちゃんと聞きなさい」
「は、はい……」
「しまゆき君が人命救助した話は……」
「ゴクリ」
「一部の新聞に小さく出たぐらいで、ほとんど、いえ全く知られてないのよ!」
「ええっ!! 僕が可愛い女の子を助けた話が全然知られてないの?」
「そうよ、更に三十年以上前の話だからもう風化してチリになってしまってるわ」
「チリに……、でもでも、ネットで人命救助の話聞いたんでしょお姉さんは?」
「ええ、でもそれは少し臭わせる程度よ。遠洋航海中人を助けたことがある。とね。それとこのことは殆ど知られていない。とも言ってたわ」
「ううっ、なんっーーーてこった!! こうなったらこの番組で何回でも僕が人命救助した、可愛い少女を助けたことを全国民に知らしめようよお姉さん!」
「えー、何回でも? もう一回やっちゃってるのよこの解説。まあもう一回やろうとはしてるんだけどね」
「二回ぐらいじゃダメだよ、三回四回と続けないとこの事は広がらないよ。さあ、早速始めようよっ」
「え、ええ、そうね。まずは予定通り概要から解説するわね」
「うん! お願いするよ、お姉さん。いや、お願いします!」
「そんな気合を入れないで普通に、普通にしてよしまゆき君。やりにくいでしょ?」
「あ、ごめんお姉さん。ささっ、始めて始めて。僕の雄姿の解説を」
「はいはい、これは作者が二回目に参加した遠洋航海の話よ。参加艦艇は練習艦の『かとり』と『せとゆき』それに『しまゆき』よ」
「いょつ、待ってました!」
「……本当にやりにくいわね。あ、でもそろそろ時間みたいよしまゆき君」
「えっ、まだ大丈夫だよ。まだ参加艦艇を紹介しただけじゃないかっ」
「最初に時間を使いすぎたわね。丁度いいじゃない、少し頭を冷やしなさい」
「う……はい、そうだね、来週まで少し冷やすよお姉さん」
「はい、それじゃあみんなー」
「「バイビーー」」
ガタン、と終わりのフリップが落ちてくる。




