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今週の商品は「万能ノズル」です。

「自衛隊テレビショッピング!」


「はい、始まりましたこの新企画。この企画は自衛隊のカンピンを売ってみよう! と言う企画です」


「べつに本当に売るわけじゃないから気を付けてほしいんだ、これだけは踏まえてくれよ」


「はい、と言うことで私は販売員の和美お姉さんよ。そしてこの偉そうにしてるのがー」


「僕は護衛艦の妖精しまゆき君さ、いろいろ質問するよ。僕そんなに偉そうにしてたかなぁ」


「ま、それはさておき早速商品の紹介です。皆様これをご覧ください」


 ゴトン。


「な、なに? この薄汚れた黄色い塊は」


「あーごめんね、昨日のうちにピカールで磨いておこうって思ってたんだけどー。これの名は万能ノズル、防火の要よ」


「ノズル、と言うとホースの先に取り付けるものだね? どこが万能なの?」


「待ってしまゆき君、ちゃんと説明するから。これの材質は真鍮で、しまゆき君が言った通り防火用ホースの先端に取り付ける物なの。日本語にすると筒先となるわ。それでこの万能ノズルの性能を説明する前に防火について少し勉強しましょうか」


「そうだね、僕は火災については何も知らないからお願いするよ」


「しまゆき君はABC消火器って知ってる?」


「ああ、あの消防署の方から来ました。ていう消防署とは何の関係もない販売員が持ってくる物だね」


「そ、そうね、その消火器なんだけどそれは三種類の火災に対応してます。てえことなのよ」


「火災は火災だよね、どう違うのかなぁ」


「それではまずA火災は通常の木等が燃える火災を指すの、水を掛ければ消せる火災ね。次のB火災は燃料や液体が燃える火災で、水じゃ消せない火災ね。次のC火災もそれで電気火災と言われているわ。この万能ノズルはAとBに対応してるのよ」


「なるほど、だからこれには水の出口が二つ縦に並んでいるんだね。ナウシカに出てくるガンシップみたいに」


「そうよ、小さい穴がたくさん開いてる所から水を出すと水霧となるの。これは炎の三要素の一つ、酸素を取り除くのよ」


「炎の三要素って?」


「一つはさっき言った酸素で、二つ目が燃える物、三っ目が熱なの。水霧は包み込んで酸素を遮断するのよ。主に油火災に有効ね」


「あ、A火災はもう一つの出口を使って熱を奪って消すんだねっ」


「チッチッチッ、フフッかかったわね。それも間違いではないけどここでは不正解よ」


「えっ、だってもう一つの穴は普通に水が出る穴じゃないか」


「もう一つの穴から出るのは直流と言って勢いがある水なのよ、この勢いで燃える物を吹き飛ばして消すのよ」


「燃える物を吹き飛ばす!? 確かにB火災では使えないね、火をそこら中に飛ばしてしまうよ。あっ、A火災とB火災に使えるから万能ノズルてぇ言うんだね」


「またもや不正解。それだけでは万能とは言えないわ。じゃあ次回はこのノズルの違う能力を紹介するわね」


「えっ、まだ使い道があるの? 次回が楽しみだよ。と言うことで、それじゃあみんなー」


「「バイビーー」」


 ガタン、と終わりのフリップが落ちてくる。

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