VHDとMSX その2。
「3」「2」「1」「ドッカーン」
「ワーイ」「なぜなにじえいたい」
「はーい、みんな元気? 私は解説の和美お姉さんだよ。そしてー」
「僕は護衛艦の妖精しまゆき君さっ。お姉さん今週は尺稼ぎ無しだかね、覚えてる?」
「覚えてるわよっ、それとお題はゲームの話しよっ。忘れてないわ」
「なら良いんだけど、確かゲームをするのにVHDとMSXだけじゃ始められない。てぇことだったよね? それってソフトのこと?」
「それもあるけどゲームを始めるには勿論テレビも必要で、VHDとMSXを繋げる機械が必要なのよ」
「え? ただ繋げるだけじゃダメなの?」
「ええ、繋げるためには五万円以上する機械が必要だったの。ただこれには問題があってー」
「あ、察し。作者は説明書とか読まないタイプだからね」
「フッ、そうなのよ。結局作者は二作品のゲームを買ったけど一度もゲームができずに終わってるわ。総額で二十万以上使ってるのに。でも一応ここではどんなことをしていたのか解説するわね」
「あ、テレビとVHDとSMX2とそれを繋ぐ機器でゲームができるはずだったの?」
「いいえ、もう一つあるの。それはテープレコーダーよ。俗に言うカセットね」
「MSXはカセットテープがソフトなんだね」
「そうよ、テープをレコーダーにセットしてロードさせるの。この時聞こえる再生音はピーーパーープーー、ミョンミョンミョンと、昔電話回線でネットに繋げた時のような音が再生されるわ」
「プログラムを読み取ってるんだよね?」
「フロッピーとか無くて記憶媒体がまだこれだったのよ。あ、まだ窓が無くてプログラムをページ二、三枚分打ち込んでやっとエンターキーを押したらバン! って音が出るだけだった時代よ。あと五、六枚打ち込めばタンポポが咲く映像が作れるわ。間違えず打ち込んだ後の達成感はハンパなかったわね」
「……ゲームの他にそんなことが出来るんだね」
「お店にはそれなりのコーナーがあってゲームも列んでたんだけど、VHDのゲームは三個だけだったわね」
「えっ! ゲームソフトが三個だけ? 少なすぎない?」
「その中でも提督の決断という海戦ゲームがあったんだけど、その時既に生産中止で入手出来なくてヘリコプターと車のアクションゲームを買ったの」
「えっと、ヘリは操縦桿を動かしたり車はハンドルだよね? ヘリはジョイスティックがあるとして車は?」
「方向キーよ」
「なるほど」
「結局前に書いたように動かなかったんだけどね。なんで動かなかったのか今も分かんないらしいわ」
「お姉さんと同じで説明書をちゃんと読まないからだよ」
「何よ、私は読まなくても感覚で大体分かるから大丈夫なの。あんな細かい説明書なんか読んでられないわ」
「だから余計なことをして機械を壊しちゃうんだよお姉さんは」
「う、五月蝿いわね。ほら、来週に続くわよ」
「えっ、まだ引っ張るのこのお題?」
「何言ってるのしまゆき君、まだ3Dの所解説してないのよっ」
「いいのかな先週のお姉さんじゃないけど、自衛隊のこと扱わなくて」
「いい? しまゆき君考えちゃダメ、感じなさい」
「意味分かんないよっ!」
「ま、兎に角今週はここまでよ。それじゃあみんなー、バイビー」
「あ、まっバイビー」
ガタン、と終わりのフリップが落ちてくる。




