魚雷の秘密 パートⅠ
「3」「2」「1」「ドッカーン」
「わーい」「なぜなにじえいたい」
「……なんでだろ、すんごい久しぶりな気がするのは」
「安心してお姉さん、僕もそんな気がするから」
「そうよね、私だけじゃ無いわよね、しまゆき君もでしょ?」
「だからそう言ってるじゃないか、けど実際一週間しかたってないだよね」
「そうなのよねぇ、不思議よねぇ。ま、いいか、こうやって解説できるんだから」
「……うん、お姉さんのそーゆーとこ、良いと思うよ」
「な、なによしまゆき君、急に褒めたりしてぇそんなに褒めてもー……、缶コーヒーぐらいしか出ないわよ。八十円の」
「そんなに悩んで安い缶コーヒーなんだ」
「フン、いらないの?」
「いえ、いります! おごって下さい」
「フッ、そんなに焦らなくても買ってあげるわよ。そんなことより解説よ解説」
「そうだね、お姉さんにおごって貰えるのは一年に一度いや、十年に一度あるか無いかだから焦ったよ」
「……そう、そうね」
「どうしたのお姉さん、解説始めようか。今週のお題は魚雷教室だよ」
「ええ、乗艦してある程度経験を積んだら、そのマークの学校に入学することになるの」
「作者の場合魚雷、だね」
「そうよ、そこでは対潜武器全般と魚雷の構造などを勉強するのよ。自衛隊は何かある度に学校に入って勉強するのよ、しまゆき君も見習わなきゃ」
「うっ、た、対潜武器は何個かあるよね、ボフォースに短魚雷、それとアスロック」
「当時まきぐもはソ連の潜水艦を相手にする予定だったから、大砲以外は殆ど対潜武器だったけど爆雷とヘッジホッグは搭載してなかったわ」
「爆雷は昔の映画で良く見たよね、艦尾からゴロゴロ転がして落とすタイプと左右にポーンと弾くタイプがあったよねお姉さん」
「爆雷は自艦のスクリューや舵を痛める為に早々に無くなってたわね。後はヘッジホッグね」
「ヘッジホッグは搭載していた艦がまだ現役だったんだよね?」
「あまつかぜと後は駆潜艇だけね、駆潜艇はいつの間にか居なくなってたし、あまつかぜがヘッジホッグ使ってるところは見たこと無いそうよ」
「それでも一応は押さえてあるんだね」
「後は魚雷の走り方ね、着水した後どんなコースを辿って潜水艦を見つけるのか」
「短魚雷はどんな風に走るの?」
「いい質問ねしまゆき君。まずは敵潜水艦をソナーで探知することから始まるの、大体あの辺りに居るなー、と思ったらそこに短魚雷を撃ち込むの」
「そこら辺は爆雷と一緒だね」
「そうね、で着水した短魚雷には天井と床がセットされてるの」
「あ、海中の一番上と下だね、それ以上は上がったり下がったりしないという」
「そうよ、短魚雷は天井と床の間を螺旋を描きながら潜水艦を探知するまで上下するの」
「僕いつも疑問に思ってたんだけど追尾魚雷はどうやって目標を追尾するのかな?」
「それも良い質問ね、じゃあそれは次回にしましょうか」
「あ、もう時間だね、それじゃあみんなー」
「「バイビーー」」
ガタン、と終わりのフリップが落ちてくる。




