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身体、だいじにしようね。

さて、ここで自衛隊の作業で一番身体に悪いと感じた作業は何だったのか。


 それは多分錨鎖の収納だ。


 以前にも書いたと思うが投錨、つまり錨を海中に入れた後に巻き取る場合四畳程度の錨鎖庫の中に二人入って、縦縦横横と錨鎖を並べなくてはいけない。錨鎖は投錨するときにイッキに出て行くので途中で絡まったら大変な事になるからだ。


 投錨した後は錨鎖が濡れているのでまだ良い、錨鎖に付いた粘土質のヘドロも大体洗い流されている。


 しかし、これが大きな整備が終わってから錨鎖を始めから格納する。となれば話しが違ってくる。


 錨鎖も錨鎖庫もキッチリ塗装されて問題ないのだが、錨鎖が通る穴、この穴が問題なのだ。


 錨鎖庫は艦底近くにあったと思う、大体バウソーナーの後ろ側でボフォース弾庫の前側にある。


 なのでその穴は相当長い。錨鎖が下りてくる長い穴の中がサビだらけなのだ。


 なので錨鎖と一緒に粉になったサビがボロボロと落ちてくる。


 その中で私達はハァハァと口で息をしながら一つが人の頭ほどもある錨鎖を並べるのだ。申し訳程度にウエスで口を覆っているが、あって無いような物である、交替で外に出たとき鼻の穴をティッシュでほじくったらサビだらけだった。


 錨鎖庫内では口で息をしていたのだから、どれだれサビを吸い込んだのか検討も付かない。


 そうそう、並べ方はゆっくりと錨鎖は下りてくるので両手で掴み持ち上げて少したるませてイッキに部屋の隅の方と持っていく。


 それをやっていくと段々錨鎖が積み重なり足場が悪くなっていく、下手をすると足の横に錨鎖を置いてしまい足が抜けても靴が抜けなくなってしまう。


 そんな時は大声で天井の穴に向かって「ストーーップ!」と叫ぶのだ。


 終わる頃には天井も低くなっているので、ずっと中腰での作業となるのだ。


 これが身体に良いわけが無い。フゥ。

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