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あ……、運搬している前後の記憶が無い。

「3」「2」「1」「ドッカーン」


「わーい」「なぜなにじえいたい」


「はい、今週も何故なに自衛隊の時間だよー。私は解説の和美お姉さんです。ねえしまゆき君」


「ぼえっ! 僕も自己紹介させてよっ」


「そんなのいいから、しまゆき君。あのね、まだ振り込まれて回のよ」


「え、何が?」


「何がって、先々週のパート代よっ! しまゆき君振り込まれるって言ったよね?」


「あ、あー、あれね、あれはーそのー……。ゴメンナサイ嘘つきました」


「やっぱりねー、変だと思ってたのよ。まあ働いてないのにパート代出るわけないか」


「え、いいの? それで」


「別にかまわないわよ、さっきも言ったけど働いてないならお金が貰えないのは当たり前じゃない」


「は、はは、そうだよね、うん」


「でもしまゆき君が私に嘘をついたことを許した訳じゃないわよ」


「えっ?」


「そのことは後で話すから、期待しててね❤」


「う、はい……」


「それじゃあ先週の続きでボフォース弾の運搬からだったわね、ボフォース弾は爆雷にロケットを付けた形をしているのよ。爆雷のように時間や深度で爆発するんじゃなくてVT信管の様にレーダの反射を受けて爆発するの。でもちゃんと時間や深度も設定できるわ多分」


「多分? ハッキリ分かんないの?」


「仕方無いじゃない、演習の時に発射した実弾は目標が無いのにちゃんと爆発してるから他にも設定があるのかなー、って思ったのっ。今回は運搬の解説だから、運搬のっ」


「そうだね、じゃあボフォース弾はどうやって運搬されるの?」


「実弾を運搬した記憶は無いみたいね、演習弾をトラックに積んで運搬してるわ」


「実弾は観閲式とかでしか発射しないから積み込んだりしないのかな?」


「そうね、殆ど演習弾でしか発射訓練しないからね。在庫だけで間に合うのよ」


「その演習弾だけど転がして積み込んだ、って書いてあるんだけど本当? お姉さん」


「ええ、演習弾は中身空っぽだからドラム缶みたいに転がして積み込むのよ。固定も雑で足で押さえておくの」


「うわ、本当に雑だね」


「そうそう、トラックの前と後ろに〇火と赤で書いた板を張り付けるのを忘れちゃダメよ。一応推進薬は入ってるんだから」


「でもお姉さん、それって発射して回収したのを弾庫へ返却しに行く時の記憶じゃないのかなぁ」


「え? 使用済みの演習弾ってこと?」


「そうそう、じゃなきゃおかしいよ。そんな雑な扱い」


「う、うーん、あり得るわね。作者だしその可能性大ね、いや、多分そうよ」


「でしょ? そんな推進薬が入った状態のロケットを転がす訳無いよ」


「やらかしたわね、作者。まあ、三十年以上前の記憶漁ってるからそんな物かも知れないわ。あら、丁度良い時間ね」


「うん、来週もちゃんと解説できるといいね」


「もう変なこと言わないでよしまゆき君、現実になっちゃうから。それじゃあみんなー」


「「バイビーー」」


 ガタン、と終わりのフリップが落ちてくる。

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