まだ続くよ。
「3」「2」「1」「ドッカーン」
「わーい」「なぜなにじえいたい」
「ハァーイ、今週も何故なに自衛隊の時間となりましたぁ。私は解説の和美お姉さんです。そしてー」
「僕は護衛艦の妖精しまゆき君さっ。今週は先週に続いて行進時の敬礼からだね」
「あら、まだそれ解説終わってなかったわね。行進しながらの敬礼は式典なんかで良く見るから皆も見たことがあると思うわ」
「先頭の指揮官がサーベル持って行進するやつだね」
「ええそうよ、普通の移動の時は右端に立のだけど、式典などで制服で行進するときは先頭に幹部が歩くのよ」
「じゃあ先ずは作業服で行進しているときはどんな敬礼をするの?」
「学校で行進するときは生徒の一人か班長が号令を掛けるわ、門を出たり入ったりする時や幹部とすれ違う時に号令を掛ける人だけが敬礼するの。この時号令は掛けないわ」
「ただ敬礼するだけで、行進する人はそのまま歩くんだね」
「そうよ、だけど式典では号令を掛けるわ」
「どんな号令なの?」
「かしーらー、右! ……なおれーー! こんな感じよ。幹部は腰のサーベルを抜いてかしーらー、の時に胸の前にサーベルを持ってきて右! の時にサーベルを斜め右下に、顔も右を向くわーウグッ!」
「ど、どうしたのお姉さん、そんな自分の半身を削り取られた様な声を出して」
「ううっ、言い撃て妙ね。どうやらブックマークが一つ減ったみたいなの」
「ブックマークがっ! それはー。でも何でお姉さんが苦しむの?」
「何を言ってるの!? ポイントが二つも減っちゃうのよ、これは我が身が削られるのと一緒だわ!」
「そ、そうなのお姉さん」
「そうなのよ、長年この番組やってるからどうやらこの番組とリンクしちゃったみたいね。しまゆき君はまだなの?」
「え、リンク? そんな当たり前みたいに言われてもー」
「おかしいわね、ちゃんと身を入れて番組作ってる? 適当にこなしてない?」
「お、お姉さんに言われたくないなそれ」
「兎に角、またブックマークが49になっちゃったのよ。せっかく50になったと思ったのにっ」
「お姉さんがグウタラやってるからだよ」
「えっ、何か言った? 良く聞こえなかったわ。もう一度言ってし、ま、ゆ、き、君」
「い、いえ何も、何も言ってませんです! はい」
「フン、まあいいわ。言葉には気を付けることね」
「お姉さん、そんなことをやってるから又時間になっちゃったよ」
「あらやだ本当、じゃあ次回は整列しての敬礼ね」
「あ……、まだ続くんだ」
「うん! 続くわよ、もうメイイッパイに。それじゃあみんなー」
「「バイビーー」」
ガタン、と終わりのフリップが落ちてくる。




