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機関長から艦長になるのは・・・・・・。

「スカッパー上げ、防舷物用意」という号令がある。


 これは岸壁に接岸中、横にもう一隻並ぶ時に掛かる号令だ。


 このスカッパーというのは両舷に等間隔で設置されている、ゴムで出来ていてチリ取りを細くしたような形をしている。


 航海中は甲板上に折り曲げて、入港した後に外に出す。これは何かというと外舷、艦番号などが書かれている所にサビ汁等が流れないように、甲板上に降った雨を垂れないよう流す装置なのだ。


 防舷物はドラム缶より大きなゴムで出来たクッションと、藁で編んだ二人で持ち運ぶのと一人で持ち運べる移動防舷物がある。


 ゴムの大きなのは下ろす場所が決まっていて移動はできない。藁で出来ているのは持ち運んで接岸に失敗して岸壁に衝突してしまう時に間に差し込んで被害を無くすのだ。


 しかしそんなことは殆ど無い、一回ぐらいだ。


 そう、あの時私は一人で持ち運べる小型の防舷物を右手にぶら下げていた。


 今回は既に接岸している艦の横に停泊するため接舷中だ。


 だが、艦長は回頭に失敗した。見る見る両艦の艦首が近付く、向こうの甲板がこちらの甲板より高い、こちらは下へ潜り込む様な形になりハンドレールの支柱が数本折れた。


 被害はそれだけで済んだが、問題は私だ。普通だったら当たる所に防舷物を差し込んで被害を防がなけねばならなかった。


 と、いうことで散々怒られた。


 だがしかし、ぐもももももっ! と迫り来る相手の艦首の方へ行けるだろうか? 私は無理だった。


 ムリゲーである。そんなところに行けるはずがない! 今でも私は逃げると思う。

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