最近の砲は上から空薬莢が飛び出すのか?
「3」「2」「1」「ドッカーン」
「わーい」「なぜなにじえいたい」
「はーい、何故なに自衛隊。私は解説の和美お姉さんよー。そしてー」
「僕は護衛艦の妖精しまゆき君さ。お姉さん、先週の丸投げ企画どうだった?」
「えっ、何の事? そんな企画やってないわよ」
「……お姉さんもしかしてー」
「な、何よ、先週は体調が悪かったからお休みしたじゃない忘れたの?」
「はぁ、お休みね。うん分かったよ、うん休みだったね、うん無かったよね」
「うー、うー意地悪! しまゆき君の意地悪! もう知らないんだからっ、うー」
「あ、ゴメン、もう分かったから。今週のお題、弾庫の最終回解説してよ」
「……うん弾庫の、弾庫の解説を始めるね」
「まあ、あれだけ言って一通も来なかったからねぇ」
「ん? 何か言いましたか? しまゆき君」
「う、な、何も、何も言ってないよ。ほら、今週は三インチ弾だよ」
「ええ、まずは三インチ弾を入れている筒なんだけどね、これは運ぶのに両肩に乗せて二発ずつ運べる大きさなんだけど、これが五インチ弾となると一発ずつ片方だけに担ぐことにるわ。大体の大きさはこれで分かるかしら」
「う、うん、微妙だけどまあ分かるんじゃないかな」
「そして弾庫に入れるときは後部甲板の速射砲の前にぽこんと突き出た揚弾機で二発ずつ送り込むの」
「これは甲板を二つ突き抜けてるんだったね」
「そうよ、まずは大砲なんかが設置してある上甲板で、次が食堂や士官室がある甲板なの。多分その下に弾庫はあるわ」
「えっと「まきぐも」は何層まであるの? 甲板は」
「えっ、えーと、弾庫は大体居住区と同じぐらいだからー。うーん、四層? ぐらいかなぁ」
「うん、分からないなら分からないって言おうね」
「わ、分からないんじゃなくて忘れているだけよっ」
「それ同じだよ。でも突き抜けてるって邪魔にならないの?」
「ええ邪魔よ、ちょうど先任海曹室の中を通っていてCPO係が作業する所がメチャ狭くなってるのよ」
「CPO係?」
「先任海曹室にも給仕する係が居るのよ。今回は関係無いから後で解説するわね」
「うん、お願いするよ」
「話を戻して射撃するときは又二発ずつ筒に入れたまま揚弾機で弾庫から出すの。出した弾は筒から出してブルワークに設置されている穴の中に一本ずつ差し込んでいくのよ」
「待って、そのブルワークて何? 他の艦には無いよね」
「ブルワークはね、速射砲を囲んでる高さが1メートルほどの鉄板柵なの。多分砲の周りをウロウロしている糾弾員を守る為なんじゃないかな。他の艦は装填が全自動になってるからいらないのよ」
「なるほど、でも三インチ弾を持ってツルツル滑る甲板を旋回する砲を追いかけて回るのはー」
「そうね、とても危険な事だわ。それに足下には輩出された空薬莢がゴロゴロ転がっているから始末が悪いわ」
「うわ、全自動になって良かったね。あ、そろそろ時間だよお姉さん」
「あら、もう時間なのね。次回もちゃんと解説出来ればいいわね、それじゃあみんなー」
「「バイビーー」」
ガタン、と終わりのフリップが落ちてくる。




