あの時のオバチャンどうしてるかな?
「3」「2」「1」「ドッカーン」
「わーい」「なぜなにじえいたい」
「はい、それじゃあみんなー」
「「バイビーー」」
ガタン。
「って、おい! お姉さん今から始まるんだよっ。終わりのフリップも上げてよっ!」
「あ、ごめんごめん。でもしまゆき君も乗ってくれたじゃない」
「乗ったんじゃなくて乗せられたのっ」
「フフッ、では改めて。私は解説の和美お姉さんだよー、そしてー」
「ぼ、僕は護衛艦の妖精しまゆき君さっ」
「それで今週のお題は何かな? しまゆき君」
「今週のお題は宗教だよ、まあ以前やったネズミ講と似たような物だね」
「あっ、前はよく公園に居たのよね。チョット手を当てさせて下さい。て言う人」
「そうなんだ、今回は佐世保商店街にある公園で作者はオバチャンに捕まったらしいよ」
「そういう事をやってる人は口が達者だからね、作者なんかコロって騙されちゃうのよね」
「どんな風に騙されたんだろうね作者は」
「たぶんこうよ、背中に手を当てられてぇ『どうですか? 背中が暖かくなってきませんか?』とか言われるのよ、手を当てられてるんだから、そりゃあ暖かく感じるわよ」
「ええっ! それだけで騙されちゃうの」
「その他にも『手当と言うのは実際に怪我をしている所に手を当てて治療することから手当と言うのですよ』とか言われちゃってさ」
「……まあ間違いとも言えない事を並べるんだね」
「そして最終的に事務所が入っているビルへと連れて行かれるのよ」
「わあ、危ないパターンだよそれ」
「でもそこは大通りに面した綺麗なビルで、部屋も話を聞くテーブルなんかが幾つもある綺麗な部屋だったんだって」
「フーン、まあ本当に怪しげな場所には一般の人は近付かないからね」
「そこには若くて綺麗な女性が居て話しを聞いてくれるのよ」
「あ、ダメだね。作者が目をキラキラさせて入信するのが見える様だよ」
「でも作者は女性と話したことが無いのと元来の話し下手で、自分が体験した事を話しても相手に全然伝わらなかったのよ。悲しい存在よね、作者は」
「相手の女の人が何か可愛そうだよ、訳の分からない話をずっと聞かされて。でも緊張しちゃったんだね作者は、仕方無いよね」
「そして何回か通ううち作者は事務所の奥にアニメのビデオテープを発見したのよ」
「もしかしてその宗教団体が作ったオリジナルアニメ?」
「そうよ、それで作者は勿論そのビデオを見せてくれ、と頼んだんだけどー」
「見せてくれなかったんだね」
「えぇ、子供用だからって言って見せてくれなかったんですって。作者はそれでも何とか見せてくれるように頼んだんだけどダメだったそうよ」
「うーん、何か見せられない理由があったのかな?」
「三十年以上前の当時はまだアニメを制作する宗教団体は珍しかったんでしょうね、それか流行りだした頃だから特にオタクポイ大人には見せられない事情があったのよ」
「大人の事情てやつだね。でも作者はそんな所をどうやって脱退したんだろう」
「それについては記憶が無いそうよ。ただ自分を勧誘したオバチャンには後に会ってるわ」
「あ、その時脱退してたら気まずいね」
「そんなこと無いわよ、だってそのオバチャンは違う団体のアンケート用紙を持ってウロウロしてたんだから」
「え? もしかしてそれってー」
「そう、そのオバチャンは勧誘のプロだったのよ」
「な、なるほど」
「さて、落ちが付いた所で今週はここまでね」
「うん、それじゃあみんなー」
「「バイビーー」」
ガタン、と終わりのフリップが落ちてくる。




