ガーランドと六四式。
ガーランドと六四式。
私は両方の銃を撃ったことがある。勿論分解整備もだ。
教育隊と「まきぐも」はガーランド、「しまゆき」で六四式だ。まきぐもはなぜ護衛艦なのに六四式を積んでいないのかと言うと、陸自が優先されて海自には回って来なかったからである。
当時最新の護衛艦でやっと搭載である。因みに私が退艦するときに鉄兜が旧ドイツ兵が被っている様な形に変わっている。それまでは内帽と外帽とに分かれていた。
話を戻してガーランドは大戦中に米軍が使っていたセミオートの小銃である。装弾数は八発、クリップはコの字型で、これに細長いライフル弾をはめ込んでガーランドに装填する。のだが、はめ込むのにコツがいる。
何とかはめ込んでもガーランドに装填するときも注意する。それは今では珍しい下からでは無く上から押し込む形で装填するからだ。
教育隊では射撃の前か後に「銃点検」が実施される。これは一列に整列してから銃点検! の号令で銃のボルトを引いて薬室を開け、中を覗き込み異常が無いことを確認してから検閲を受けるのだ。
これが終わるときに引いたボルトを戻して薬室を閉める。これが危険を伴うのだ。弾を装填するときはクリップで薬室内にある飛行機、と言われる十時の金具を押し込むことができるが、装填しない銃点検では親指でこの飛行機を奥の方までカチリと音がするまで押し込むことになる。
と同時にボルトを小指の下でグッ、と手前に引く。するとロックが外れて薬室が閉まるのだ、そう親指を押し込んでいるのに閉じると言う事は素早く親指を抜かないとー。
六四式はカートリッジなのでこーゆー事は無い。下から上に押し込むだけだ。
次にその六四式小銃なのだが、射撃だけならそんなに面倒な銃だとか思わなかった。ガーランドと違う所は勿論連射ができることだ。
切り替えレバーの横に有名な「アタレ」の文字が刻印してある。ア、は安全装置 タ、は単発 レ、は連発である。
ただし、海自では連射はしない単発のみの射撃になる。そんなに弾丸持ってないからね。
それとカーランドと違う所はバイポットだろう。これは銃口の下に足と呼ばれる鉄の棒が二本取り付けてあり、射撃時に広げて銃を固定する。ただ持ち運びするときは少しいや、かなりー……ものすんげ邪魔になる。
次に射撃体勢だ、ガーランドは左肘を出来るだけ銃の下へと持って行く。横からだとブレが大きくなるからだ。銃床を型に押しつけて照門を覗き込む。安全装置は引き金の前にある。それを前にずらすと解除となる。
六四式は丁度その場所にカートリッジを外すレバーがある。安全装置を外そうとして弾倉を下へ落としたりしたのはナイショだ。
次回は六四式の射撃から。




