あ、二三個飛ばしたかな。
「3」「2」「1」「ドッカーン」
「わーい」「なぜなにじえいたい」
「はぁい、何故なに自衛隊へようこそ! 私は解説の和美お姉さんです。そしてー」
「僕は護衛艦の妖精しまゆき君さっ。早速だけどお姉さん、今日のお題は支給品だよ」
「支給品てあの制服とか雨着とかの?」
「少し違うよ、これは艦に乗ってから支給される物。だよ」
「ああ、基本艦の備品ね。鉄兜とかカポック(救命胴衣)とかよね」
「そうそう、後は作業服の上に着るジャンパーに特殊雨着だよね」
「他には何か無かったかしら、あっ、冬の北海道へ監視に行くときに支給される物があるわね」
「見張りに支給される防寒の帽子と上下服と靴だよね」
「それなんだけど何で冬場に寒いところで監視しなくちゃいけないの? しまゆき君」
「それはね、知っての通りロシアとは国境がもの凄く近いよね、なのでロシアの船は昔簡単に国境を越えて航行してたんだ。これではイカン、と言う事で国境に掃海艇を配置したらピタリと入って来なくなった。と言う話しがあるんだ、なので冬でも護衛艦を配置するようになったんだって」
「フーン、みんなロシアが悪いのね」
「え、いや、そうなんだけどね。何と言うかーあ、今回は支給品の話しだよお姉さん」
「そうだったわね、でもその支給品を着ていても吹雪が強いと艦橋の中に入れてくれたんだって」
「あー、それはそうだよね、朝には三インチ砲の砲身に氷柱が出来るような吹雪なんだから」
「でもね、位置が悪いのよ」
「位置が? 扉ハッチの横でしょ、あ、電熱器か」
「そうなのよ、防寒着着ている上に艦長席や司令席の足下には電熱器があるの。見張りが中に入ると丁度間近でホカホカなのよ」
「それはー、寝ちゃうね」
「寝たら大変よ、目を覚ませっ! って又吹雪の外に放り出されるから」
「別な意味で地獄だね。睡魔と戦う。おっと、又話しがズレちゃってねお姉さん」
「そうね、じゃあ通常の支給品でジャンパーと特殊雨着について解説するね。この二つは使い回しだからもうボロボロなの、裾は破けているしポケットには穴が開いてるわで自分で縫い合わせる事になるわ」
「ああ、武器に相当お金が掛かるからね。節約だよ」
「節約にもほどがあるわよ、特殊雨着は普通のカッパなんだけどゴワゴワで至る所にガムテープ貼り付けて繋げてあるんだけど、ぜんぜんカッパの役目果たさないのよ」
「が、我慢だよ。きっと今は改善されてるよ」
「そうかなぁ、廃艦になった艦の備品を使い回ししてるような気がするわ」
「気のせいだよ。あ、もうそろそろ終わりだよお姉さん」
「あらそうね、じゃあ今週はここまで。それじゃあみんなー」
「「バイビーー」」
ガタン、と終わりのフリップが落ちてくる。




