しまゆきか、何もかも懐かしい。
「3」「2」「1」「ドッカーン」
「わーい」「なぜなにじえいたい」
「はいどーもー、今週も何故なに自衛隊の時間ですよー女将さん。私は解説の和美お姉さんです。そしてー」
「僕は護衛艦の妖精しまゆき君さっ。女将さん?」
「まーまー、それはこっちに置いといて、と。今週のお題は『しまゆき退艦』ね」
「えっ、僕ここを卒業するの?」
「そうよ、寂しくなるわね。次回から『こんごう君』がやって来るわよ」
「ええっ! マジで? イージス艦が来るのっ!」
「じ、冗談よ、冗談。イージス艦がこんな所に来るわけないじゃ無い。実際のしまゆきよ」
「あ、そうだよね、作者イージス艦に乗艦したこと無いもんね」
「もう、慌てん坊さんなんだから。それでね、実際のしまゆきが退艦したことで作者が思い出を語ってるのよ、今回はそれを解説するわ」
「そ、そうなんだ。じゃあ僕の出番だね」
「そうね、しまゆき君の形を見ながら説明するわ。先ず第一にその背の高さよね」
「そ、そうかな、僕はそんなに背は高くない方だけど」
「……何言ってるの? しまゆき君じやないわよ、艦の方よ」
「……そうでした」
「これでスタビライザーが付いて無かったら大変な事になっていたでしょうね」
「スタビライザー? 何それ」
「アナタの下の方に付いてるでしょ、なんで知らないのっ」
「あこれ、この短い羽みたいなの、これがぁ」
「そう、それで動揺を抑えてヘリが発着しやすいようにしてるのよ。自分の身体なんだから確りと把握しときなさいよ」
「うん、これから頑張って把握するよ」
「フゥ、それと更に特徴的なのが艦尾なの、良く見て、しまゆき君が手を突っ込んでいる所よ」
「そ、そう言う表現はー。んっんー、あ、ああっ、一段低くなってるね」
「その低くなっている所から入るとラッタルを使わずに食堂どころか士官室まで行けるのよ。これは食卓番には大助かりだつたわ」
「えっ、食卓番て食堂の食器洗いをする人だよね、その人が何で助かるの?」
「残飯をラッタルを上がらずに捨てられるからに決まってるじゃない」
「残飯? あ、食べ残しね。そんなに大量にあったの?」
「ええ、大きなバッカンになみなみと捨てられるから重いし、更に艦は揺れるからラッタルを上がるのが大変だったのよ。その点しまゆきは直接艦尾に出られるから楽だったの」
「へえ、残飯は艦尾から海へ捨ててたんだね。それ以外で良かったことはあるの?」
「それ以外では内火艇ね、艦尾に係留すれば縄梯子を使わずに直接乗り移れたわ」
「あ、それは楽だね。寝ぼけて踏み外すこともないし。他には? 反対にダメなとことかないの?」
「勿論あるわよ、波が荒いと波が簡単に上がって来るのよ。ハッチを開けてたら艦内は水浸しね」
「えー、それって沈んじゃうじゃないの?」
「大丈夫よ中にもハッチがあるからね」
「そうだよね、それで簡単に沈んでたら欠陥艦だよね。あ、もう時間だよお姉さん」
「うん、今週は久々にちゃんと解説出来たわね。それじゃあみんなー」
「「バイビーー」」
ガタン、と終わりのフリップが落ちてくる。




