火の玉検定。
「3」「2」「1」「ドッカーン」
「わーい」「なぜなにじえいたい」
「お姉さん火の玉だよっ!」
「ワ! キャアーーー!」
「あ、待って違うから、火の玉出てないからー、大丈夫だから戻って来てー」
「ほ、本当にでてないのね? このスタジオ前々から変な感じがしてたんだけど……」
「大丈夫だから本当に。さあこっちに来て自己紹介」
「う、うん、……はい、わ、私は解説の和美お姉さんです。そしてー」
「僕は護衛艦の妖精しまゆき君さ、あービックリした、急に走り出してどっか行っちゃうんだもん」
「そ、それはしまゆき君が急に人魂とか言うからよっ」
「人魂ととか言ってないよ、火の玉って言ったんだよ」
「どっちも一緒よ!」
「うんにゃ、違うね。火の玉は単にガスが球形になって燃えている物で人魂はー」
「わーわー、なーにも聞こえない私なーにも聞こえない!」
「……それで先週の続きなんだけど、僕が何であれを普通の火の玉でなく人魂じゃないかと思うのはー」
「…………」
「お姉さん蹲ってないでちゃんと聞いてよ」
「聞いてる、聞いてるから早く済ませてよっ」
「分かったよ、ちゃんと聞いててねお姉さん。まずはこの間も言ってた様にこの火は周りを照らさない不思議な火なんだ。そして作者は同じ火を子供の頃に見てるんだ」
「あ、昼間焚き火をしていた所にまだ火が残ってたんだよね。そうでしょしまゆき君、そうだといってよっ」
「……残念だけど焚き火は夕方までには完全に消えていたんだよ、そうしないといくら何でも火事になっちゃうからね。そして作者が見たのは夜の九時、拳大の橙色の炎が燃えてたんだ、それも地上から五十センチほどの高い位置で」
「ヒッ、で、でも作者はなんで夜に外に出たのよっ」
「作者の家は古くで玄関の横に『ションベンタンゴ』と呼ばれる小専用のツボがあったんだよ。いつも寝る前に外に出てたんだよ」
「なんで出るのよ! 大人しく家の中のポットン便所でいいじゃない!」
「家の前にある小さな畑の肥やしだったんだって。ま、そう言う事で作者は護衛艦から見た火は人魂みたいな物だと思ってるってさ」
「なんで海の真ん中で人魂が浮かんでるのよっ」
「さあ、僕に聞かれてもねぇ。あ、少し早いけど今週はここまでだね」
「ふぅ、やっと終ね。それじゃあみんなー」
「「バイビーー」」
ガタン、と終わりのフリップが落ちてくる。




