チャーリー配備と弾庫。
「3」「2」「1」「ドッカーン」
「わーい」「なぜなにじえいたい」
「ハァーイ、今週も見てくれてありがとう。私は解説の和美お姉さんだよー。そしてー」
「僕は護衛艦の妖精しまゆき君さっ。お姉さん今週始めは岸壁に着いている状態でのことだよ」
「あら、まだ続くのね。で、今回は何を解説すればいいの?」
「今週は航海中の哨戒配備みたいな陸上の哨戒任務だよ」
「ああアレね、チャーリー配備とかいうやつね」
「そうそう、その配備はどんな時に掛かるの?」
「うーん、どんな時に? と聞かれても兵隊はただヘルメットと警棒持たされて前甲板と後甲板に立たされただけだから詳しい事は分かんないのよ」
「ええっ、素人でも大体分かるよ。海上から上がって来る不審者を警戒してるんでしょ?」
「なんだしまゆき君の方が詳しいじゃない、その通りよ。でもその不審者わざわざ護衛艦に乗り込んで何をするつもり?」
「え、多分破壊工作? みたいなことするんじゃないのかな」
「おおっ、パチパチパチ、凄いわしまゆき君。でもそんなこと今時あるのかしら」
「何言ってるのお姉さん、今時だからあるんじゃないかっ」
「当時も年に一回ぐらいだったから誰も真面目にやってなかったなぁ。あ、補給所では結構真面目にやってたわね、やっぱり陸上施設だからかしら」
「へえ、どんなことしてたの?」
「うんとね、手榴弾が投げ込まれたときの対処法なんかしてたわね」
「わっ、それ凄いね、どんな対処法なの? 教えてよ」
「ええ良いわよ、タイヤを使うのよ」
「タイヤ? 車の?」
「そう車のタイヤを使うの、こう塀の外から投げ込まれたら慌てずにタイヤを手榴弾に向かって投げるのよ」
「するとー、どうなるのかな」
「手榴弾はタイヤの内側で爆発して破片が散らばらないの、手榴弾は破片で殺傷するからそれを妨害するの」
「へ、へー、だとすると何時もゴムタイヤ持ち歩いてるんだ」
「アハハバカね、そんなことするわけないじゃない。いいとこ塀のワキに置いてあるだけよ」
「それ、意味無いと思うのは僕だけ?」
「安心してしまゆき君、私もだから」
「つ、つぎ、次いってみようかお姉さん」
「次は米軍関係ね、戦争中日本軍の巨大な燃料庫だった山は現在米軍の弾庫として使われているのよ」
「自衛隊はそこを間借りしてるんだね」
「そうよ、だからそこは日本であって日本では無いの。弾庫だから常時ライフルを持った米兵が見回っているわ。進入しようものなら迷い込んだ、なんか関係無く速銃殺ね」
「日本の弾庫はー」
「言わないで、黙ってなさい。それがしまゆき君の為よ」
「う、うん。それであの幹部の言う事が」
「本当に戦争に負けてるのよねぇ、普段全然感じないけど」
「そうだね。あ、そろそろ時間だよお姉さん」
「じゃあ今週はここまでね。それじゃあみんなー」
「「バイビーー」」
ガタン、と終わりのフリップが落ちてくる。




