いゃ~、熱唱したね。
「3」「2」「1」「ドッカーン」
「わーい」「なぜなにじえいたい」
「ねえしまゆき君、私この3、2、1って悟空の大冒険をパクってるて思うの」
「お姉さん挨拶もせずにいきなり何を言ってるんだよっ」
「えっ、知らないの? 悟空の大冒険。ほらあのー」
「いや知ってるよ、懐かしのアニメで何回か見てるよ。でもあれってスリーツーワン、でしょ、僕達のはさんにぃいち、じゃないかっ」
「良くある誤魔化しのパターンね、私は騙されないわよ」
「いや、騙す騙されないの話しじゃ無くてね」
「もういいわ、サッサと始めましょうか」
「えっ、あ……お姉さん尺稼ぎ、したんだね?」
「ま、まさか、いくら今回のお題が『脱走』で短くなるからって、そんなことはしないわよ」
「はいはい、次からちゃんと打ち合わせしてねお姉さん。それじゃあ僕は護衛艦の妖精しまゆき君さっ。そしてー」
「あっ、そんな、もう! 私は解説の和美お姉さんだよー。フゥ、じゃあ今回のお題『脱走』について解説するわね」
「お姉さん、この脱走は一度何処かで書いてるみたいだよ」
「まあ私も忘れているから大丈夫よ、皆も忘れてるはずよ」
「凄いへりくつだね、感心するよお姉さん」
「フフッ、ありがと。でもね屁理屈も理屈のウチなのよ。それじゃあしまゆき君、脱走は何処でどんな風に発生するのか分かるかな?」
「別に褒めてないんだけどー。あ、えっとー教育隊での外出の時が多いって書いてあるね」
「そうね、でもその他はどんな時だと思うかな?」
「えっとー、どんな時と場所なんだよね? うーん、艦に乗ってしまったらそう簡単には脱走なんかできないよね、周りは海だもの。それこそ上陸の時ぐらいにしかー」
「これも自衛隊の、海自の闇の一つよ。艦では航海中必ず朝に点呼が行われるの、夜の海に落ちる人がいないとも限らないでしょ。事故も含めて」
「まさか、それって〇殺と変わらないー」
「実際に気がふれてしまう人がいるのよ、海曹でもね。人により理由は様々で、作者が体験したのは遠洋航海中に」
「俺は日本に帰るんだーー!」
「と言って海へとダイブした海曹も居るんだから、なんだかんだでストレスが溜まるのよ。特に階級が低いとね、ストレスの発散もできないし。もう夜の海に叫ぶことしか出来ないわね」
「それって作者も叫んでたの?」
「叫びもしたし大声で歌ってもいたそうよ。あまりの大声に無電池電話が反応してCICから」
『うるさい、歌うな!』
「って言われたこともあるみたいよ」
「あー、後部見張りは一人ぼっちだからね、歌っても分かんないか」
「兎に角、乗艦するともう逃げられなくてストレスが溜まりっぱなし、と言う事ね」
「思い込むとどんどんそっちの方へ行っちゃうからね、気を付けないと。あ、尺稼ぎしたからもう時間だよお姉さん」
「ええ、ちょうど良いぐわいー、な、何言ってるのかな? お姉さんには分からないわ」
「あ、その前に作者は見張り中何を歌っていたの?」
「え、あぁ、ヤマトよ、宇宙戦艦ヤマトのエンディング」
「えっ、主題歌じゃなくてエンディング?」
「そう、今は~はるぅばぁる~、海~のは~て~。って歌っていたらしいわ」
「それは-、うるせぇ! って言われるよね」
「はい、ではそーゆーことで。みんなー」
「「バイビーー」」
ガタン、と終わりのフリップが落ちてくる。




