暫く旅に出ます、捜さないで下さい。
「3」「2」「1」「ドッカーン」
「わーい」「なぜなにじえいたい」
「はい、どーもー」
「お姉さん落ち着いて聞いて」
「えっ、しまゆきくん今オープニングなんだけど」
「良いから聞いてお姉さん、先週の放送のことなんだけど……」
「先週? ああ、士官室係やCPO係を解説したやつね。それがどうしたの?」
「それかね、それがー作者が勝手に打ち切って自分が言いたいこと言って終わっちゃったんだよ」
「え? 良く聞き取れなかったわ。もういっぺん言ってくれる?」
「だ、だから落ち着いてお姉さん。両腕がプルプル震えてるよっ」
「いいからモウイッペン言いなさい。作者が何だって?」
「いや、だから先週の僕らの放送は打ち切られて作者が勝手にー。ああっお姉さん何処行くのっ、本番中だよ」
「クッ、命拾いしたわね作者。しまゆき君この番組が終わったら怪人に変身しなさい。変身してハープーンミサイルを全弾作者に打ち込むのよっ」
「えっ、イヤだよ。僕が搭載しているミサイルは結構高いんだよ、こんな高いミサイルを作者に使いたくないよ」
「……確かにそうね、分かったわ後で相談しましょうか。取り合えず今週のお題行きましょうか」
「そうだね、今週のお題は指令部が乗ってくると溺者救助はこう変わる。だね。それでお姉さん、この指令部て何?」
「二十一隊の指令部よ、やまぐもとまきぐも、それにあさぐもを加えた三隻の護衛艦で構成されてるの」
「乗艦してくるということは普段は違う艦に乗ってるてぇ事だよね? それと構成メンバーも教えてよ」
「えっ、こ、構成メンバー? ふ、普段はやまぐもに乗ってて時々他の艦に乗ってくるんだけどー。あ、指令部が乗艦すると旗艦と言ってマストに赤いサクラ一個だけ付いている旗を揚げるのよ。
人員についてはー、一佐の司令が一人と数名の幹部と海曹が一緒に乗ってくるわ」
「あーはいはい、それで指令部が乗ってくると訓練はどう変わるの?」
「うん、まあ溺者救助は昼一に行われる訓練と決まってたから決まって士官室係が溺者になることになってたのよ」
「ああ、士官室で補給長が呼び止めるあれ、だね」
「そうそれ、だけど指令部が乗ってくるとランダムに乗員を分隊毎に捕まえるのよ。だからここで各分隊の人員把握能力が試されるの」
「で、作者はそれに掴まった。と」
「そう、ほんとドジよね訓練前に指令部の部屋の前を通るなんて」
「でもワザと捕まったみたいなこと書いてるよ」
「そんなの言い分けに決まってるじゃない、でも作者を捕まえた人は予想以上の成果だったわね」
「そうだよね、艦橋は各部の報告を受けるだけで肝心の人員点呼をしていなかったんだから」
「きっと後で色んな人が怒られてるわね、作者のせいで」
「え? 作者のせいかなぁ」
「そうよ、あれもこれも私が貧乏なのもぜーーーんぶ、作者のせいなのっ。あっ、もう時間ねしまゆき君」
「貧乏なのはーいえ、作者のせいです、はい。それじゃあ今週はここまでだね。せーの」
「「バイビーー」」
ガタン、と終わりのフリップが落ちてくる。
「さあ、作者の所に乗り込むわよっ、付いてきなさいしまゆき君」
「待って、その前に作戦立てなくちゃー、待ってよーお姉さん……」




