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 こんな夢を見た。


 これは私が小学校低学年の時に見た夢である。


 前半いろいろあって私は山の少し開けた場所に立っていた、そこには毛むくじゃらで粗末な服を着た男が一人で石を組んだかまどの前に座っていた。


 私は男に「あなたの夢をもらいに来た」と言った。


 小学校の一二年で大人に言える言葉ではない。今思えば目の位置が異様に高かった、まるで大人の目線で男を見ていた。


 男は諦めたように「とうとう来たか……」と肩を落とした。


 私はそれを見て油断した、男は突然立ち上がり逃げ出したのだ。追いかけたのだが……見失ってしまった。


 なので私は夢を持っていない。


 次も小学校の時の夢だ。


 場所は家の中、いつも一緒に遊んでいた隣に住む男の子と両手を繋いで遊んでいると、突然黒い馬が庭から長い首を私とその男の子間に突っ込み苦しそうに鳴いた。


 私は馬に悪い事をした、と思い庭に居る黒い馬の所へ掛けだした。黒馬は世紀末の覇者が乗る馬のように烈火の如く怒っていた、まず溝内を蹴られてから肩を思いっきり噛まれてしまった。もの凄い恐怖だった。


 なのでその日から眠るのが恐くなった、寝たら又あの黒馬が出てくる気がしたのだ。


 寝るのが恐い、と訴え続けていたとき担任の先生が。


「国語の本を読んでから寝ると恐い夢は見ないわよ」


 と、言ったので私はそれに飛びついた。私は国語の本の一番短い文章を選んで読んでから眠る事ができた。長い文章はパスした。


 眠る事ができたのは良かったのだが、数日後隣の男の子の父親が癌で亡くなってしまいその男の子は何処かへ引っ越してしまった。それ以来……。


 次の夢はごく最近の夢である、といっても十年以上前なのだが。


 仕事から家に帰り玄関を開けると見知らぬ七歳ぐらいの女の子が玄関横に立っていた。当時兄の子供達にお年玉を配っていたので、この子にもあげないと、と思い財布を取り出したが訳の分からない札が入っているだけだったのでお年玉をあげることはできなかった。


 その時、表から兄の子供達がかけてくる音がしたので表に出ると、兄の長女と次男八歳と5歳がこちにら走ってくる。


 そっちの方へ行くといつの間にか見知らぬ女の子は私の後ろに立っていて。


「あの子より、私は美人よ」と、言った。


 私はハッ、と振り返ったがー。


 もしかするとあの子は私が結婚すればこの世に生まれた子なのでは……と、思ってしまう。


 次は本当に最近の夢である。


 場所は何処かの教室で椅子と机が並んでいる。真ん中当たりで四人の男女か何かを楽しそうに話している。


 私は外がいやに明るいので窓に近付き外を見た、するとそこには山の上に通常の三倍いや、五倍ぐらいの大きな太陽が輝いていた。明るいはずだと思いながらふと下を見るとー、教室は地上数十階の高い場所にあった。下の方ではまるで毛細血管を移動する赤血球の様に車が移動しているのが分かる。


 私はこの時、これは夢だと気付いた。しかし何時もの夢とは違い現実感がハンパなかった、身体の感じや匂いまで現実と同じ感覚だったのだ。


 私はこのまま夢から覚めないのではないかと恐くなり、近くに居た高校生ぐらいの男女に。


「この夢はどうやったら覚めるのでしょう?」と聞いたぐらいだ。


 男女は、何言ってるのこのオッサン。とばかりに相手にしてくれません。


 仕方無く私は開き直り、私の夢ならある程度は私の自由になるはず、と思い直していつかは実行しようと思っていた事を実行した、それはー。


「裸の美少女ー、カモン!!」


 振り向きざまに叫んだのだが、そのまま暗転。


 高スペックだと思ってたのに、やはり見たことがない物は出せないようだ。……クッ。

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