そっかー、来週から変わるのかー。
「3」「2」「1」「ドッカーン」
「わーい」「なぜなにじえいたい」
「どぉもーー、先週は開き直っちゃった解説の和美お姉さんだよー。そしてー」
「やっぱり……。僕は護衛艦の妖精まきぐも君さ、早速だけど魚雷回収の解説お願いするよお姉さん」
「え、あーうん、そうね、じゃあ解説を始めわ。この魚雷の回収は訓練の終わりに実施されるのよ、始まりは教練対潜戦闘ー! で始まって短魚雷発射始め、が令されるわ」
「待ってお姉さん、始めにこの訓練の目的を教えてほしいな」
「うっ、今週はなにげに真面目ねまきぐも君。この訓練の目的は火薬の変わりに検査機器を搭載した魚雷を発射して、ちゃんとプログラムされたように走るのかを調べるのと短魚雷発射管の発射訓練よ」
「その発射管の準備ー」
「あーもう、五月蝿いわね! 今日はどうしたのまきぐも君。いつも自由に解説させてくれるのにっ」
「いや、僕も少し反省してね。確りとお姉さんが解説できるように聞くだけじゃないサポートをしたんだ」
「……まきぐも君はそんなことを考えていたのね、ありがとう。でも……お願いだから止めて、調子狂っちゃうから」
「ええっそんな、僕はー」
「いいから、今までどうり合いの手ぐらいの質問だけにして。私そんな詳しくないから突っ込んだ質問されても分からないの!」
「ああ、解説なのに分からないって言っちゃったよ……」
「わ、分からないなんて言ってない! 詳しくないって言っただけよっ。もうまきぐも君のバカ、意地悪、もう知らない。プンプンよっ」
「そんな可愛くすねても誤魔化せないからね? ちゃんと解説できるように勉強してきてねお姉さん」
「---、……はい、分かりました」
「はい、それじゃあ続きの解説をお願いするよお姉さん」
「あー! もう、やっぱり納得しない!! 好きなようにやらせてよっ、私が解説するのよっ! いいじゃない勝手に分かる範囲で解説してもっ、私、勉強なんて一切しないわっ!」
「お姉さん切れないでよ、最近視聴率が厳しいんだよ。何か変えなきゃだめなんだよお姉さん」
「じゃあ私じゃなくまきぐも君が変わりなさいよっ」
「えっ、僕が?」
「そう、ちょうどいいから今度退役する『いまゆき』君になりさいよ。まきぐも君は組織の怪人なのに最近ぜんぜん変身しないから変身できなくなったんじゃないの?」
「そ、それはー、変身すると人格が変わるからー」
「そこらへんも何とかしてもらいましょ。よし決まりっ、来週からまきぐも君はしまゆき君よっ。組織に連絡入れておくわね」
「ま、待ってよお姉さん勝手に決めないでよ」
「いいじゃない今度はヘリ搭載してるのよ、ドローンみたいにきっと便利に使えるわ」
「え、ヘリ搭載!? HS2B型かな?」
「食いついて来たわねまきぐも君、それも古いヘリの方に。シウスなんかも搭載してるからハエなんかもバンバン落せるわよ」
「うわ、それ便利そうでも何か嫌だなそれ」
「はい、決まりね。私ではなく来週からまきぐも君がしまゆき君に変わります。どうか宜しくぅー」
「よ、宜しくお願いします」
「じゃあ今日はここまでね。それじゃあみんなー」
「「バイビーー」」
ガタン、と終わりのフリップが落ちてくる。
「なんか乗せられた様な気がする……」
「気のせい気のせい」




