あー、あの本は古本屋にー。
「3」「2」「1」「ドッカーン」
「わーい」「なぜなにじえいたい」
「はい、解説の和美です。……」
「えっ、それだけ? お姉さん僕の紹介はー」
「なに? なにか文句あるの、私のスカートを破いたまきぐもさん」
「さん!? スカートのことは謝ったじゃないか、弁償もするよ。ただ今は持ち合わせが無いから……」
「そんなことを怒ってるんじゃないのっ」
「え? だったら何をー」
「はあ! 分かんないのっ? まきぐもさんは私のスカートを破いてわ、私のショ……パンティー見たとき何て言った?」
「わ、わざと見たわけじゃー」
「いいから、何て言ったのっ」
「……なんつう脆いスカートじゃ、だよ」
「私の下着見てそれっ!?」
「そこ? 怒ってるのはそこなのお姉さん。って言うかお姉さんが無理やり逃げようとするから悪いんじゃないかっ」
「うっ、私の一張羅破っといて何逆ギレしてんのよっ。これはチカンと合わせて侮辱罪も適用ね」
「わ、分かった、分かったら科もう勘弁してくれ。しかし本当に一張羅なんだな、テレビなのに学校指定のジャージしかもう持ってないのかよ」
「ば、馬鹿にしないでよ、以前はそれはもう大量のドレスや宝石とか持ってたんだからねっ」
「今は明日の食事、いや今日の食事を心配する極貧女じゃねーか」
「そ、そんなことより解説、そう解説を始めましょ。今週は内火艇の話しだったわよね。まきぐもには二っの内火艇と一艇のカッターが搭載されてるの、今の護衛艦にはカッターはもう搭載されてないわね」
「……へえ、そうなんだー」
「遠洋航海ではこのカッターでまきぐもを引っ張って赤道を越えたそうよ」
「えっ、カッターで護衛艦を引っ張れるの?」
「うーん、多分流されて赤道を越えただけだと思うんだけどー詳細は分からないわ。でももう絶対にやんない方がいいわよ」
「うん、下手するとカッターがひっくり返っちゃうよね」
「話変わって内火艇だけど、一つの護衛艦に二つの内火艇があるものだから上陸時には非常に混雑するのよ。桟橋が一つしかないし」
「作者も上陸したんだよね? 作者は上陸して何をやってたのかな」
「もちろん飲みに行ったでしょうね、でもこの作者は上陸すると必ず行く所があるの。どこだか分かる?」
「作者のことだからー、ソープ、かな?」
「ブッブー、外れです。正解は本屋さんですよ。作者はそんなところに一人で行く改称も度胸も無いわよ」
「そっかー、でもここでわざわざ言うには何かあるんだよね」
「鋭いわねまきぐも君、作者は当時エスパー魔美のことが好きでね。ちょうど離島の小さな本屋さんにセル画が付いている単行本を見つけたの」
「えっ、テントウムシコミックより古い単行本?」
「あら、知ってるのねまきぐも君」
「あ、うん、まあ……ね。で、そのセル画ってー」
「もちろん魔美ちゃんが裸で絵のモデルやってるところよ」
「やっぱり、欲しいな……それ」
「もしかしてと思ってたけど、まきぐも君てやっぱりー」
「い、いや違うから、僕もちょっとハマったことがあるだけで決してーあっ、お姉さんもう時間だよ!」
「フフッ、良いこと聞いちゃった、後で色々使えそうね。それじゃあまきぐも君来週までに新しいメイド服三着お願いね」
「三着!? なんで三着もいるのさ、一着でそれもスカートだけだろ」
「慰謝料ですよ、まきぐもさん。分かりますよね?」ゴゴゴ……
「はい、営利努力しますです。はい」
「うん、分かってくれて嬉しいわ。それじゃあみんなー」
『『バイビーー』』
ガタン、と終わりのフリップが落ちてくる。
「大体お姉さんが高いお肉を食いまくるから……」
「あん? なんか言ったかな? まきぐもさん」
「いえ、なんでもないです。はい」




