お、おい、どおすんだ。
「3」「2」「1」「ドッカーン」
「わーい」「なぜなにじえいたい」
「・・・・・・」
「か、和美お姉さん?」
「・・・・・・」
「思い付かないなら、いつもの挨拶でいいから! ねっ」
「くっ、悔しい・・・・・・」
「泣かないで、そんなことで泣かないでお姉さん」
「だって、だってまきぐも君。私、私はーウッ」
「分かってる、分かってるからお姉さん。これで涙を拭いてよ」
「あ、ありがとうまきぐも君・・・・・・フッ、じゃあ新しい挨拶考えてきてね、まきぐも君。ウフ」
「えっ?」
「分かってるんでしょ? 分かってるんなら新しい挨拶考えてきてね。来週までに」
「は、謀ったなシャ、じゃなかった和美!」
「先週も言ったけど油断しちゃダメよ」
「クッ、こ、このぉ・・・・・・又はめられた。ガクリ」
「フッフッフー、じゃあ先週の続きね。確か教官が持つ拳銃のことを話して終わってたわね」
「そ、そうだね。教官はなぜ拳銃を持ってるの?」
「決まってるじゃない、陸自の練習員のようにライフルを乱射するのを止める為よ」
「それってつまりー」
「練習員を撃つ為よ」
「そ、そうなるよね」
「陸自の教官は撃つことをためらったのね、だから数人が撃たれて更に逃げられたのよ」
「僕はその教官に同情するなぁ」
「なに言ってるのよ、人を殺せる武器を持たせるのにとち狂いそうな練習員が居ることに気付かないのが悪いんじゃない」
「ま、まあそうなんだけどね。でも練習員は百名以上居るし、イジメは分からないようにやられるから把握するのは難しいんじゃないかな」
「教育隊は軍隊よ、普通の学校とは違うの。学校だったら分からなかった、で済むことが軍隊では武器が使われて人が死ぬのよ、それも大量に、教官や幹部はそれを自覚しないとね。ライフルだから良かったけど大砲やミサイルだったらどうなることか、分かるでしょ」
「で、でも、未だに大砲やミサイルで事故死した隊員は居ないから大丈夫なんじゃない?」
「・・・・・・だったら、いいのにね」
「ちょっとお姉さん、最近なんか変だよ。意味ありげっていうかー」
「ううん、いいのよ。最近は海軍伝統の整列も無いみたいだし、みんな優しくなれれば、いいわね」
「確りしてお姉さん! 目が遠くを見詰めてるよ、今を見詰めてよお姉さん、ーー和美! いい加減戻ってこい!」
「和美? 誰それ。私はー・・・・・・」バタリ
「ああっ、和美! おい、放送中止だっ、救急車!」
プツン、ザーーーー。




