風邪で弱気になるとは。
「3」「2」「1」「ドッカーン」
「わーい」「なぜなにじえいたい」
「ヤッホー、みんなー、元気してる? 私もバリバリ元気な解説の和美お姉さんだよー。そしてー」
「ゲフンゲフン、僕はお姉さんから風邪を移された護衛艦のハッ、ハァ、ハー妖精まきぐも君ヘクショーイ! さぁ」
「いやぁ、普通の風邪で良かったわよ。コロナちゃんだったらもうスタジオの人達全員に感染してたわね」
「普通の風邪でも大迷惑なんだけど・・・・・・お姉さんゴホゴホ」
「いやホント、風邪は移さないとダメね。移せば治るって本当だったみたい」
「それ間違いだから、ゲホゲホ! あー、だるい」
「もー、今週は私に任せとけば良かったのに、どうして出てくるのよぉ」
「なんかイヤな予感がハッグシュ、してね。グシュッ」
「あーもう汚いわね、ティッシュ持ってないの? これ使って先週私が使ってた残りだけど」
「あ、ありがと。い、一枚だけかよ。チーーン」
「だから残り物だって言ってるじゃ無い。ほら、そろそろ解説しないとー」
「あー、なんか僕朦朧としてきたから勝手に進めていいよ」
「チョット、大丈夫なのそれ。家に帰った方がー」
「ゲホ、大丈夫だよアパートに帰ってもどうせ誰も居ないしゴホゴホ、あー喉痛え、俺って何のために生きてるんだろ」
「デレクター、まきぐも君連れ出して病院に一緒に行ってあげて!」
「だから大丈夫だって、オエッ、俺なんかもうどうなったっていいんだ。ハッ、ハー、死んだって泣いてくれる人なんか居やしないんだから」
「ほらまきぐも君立って、わっ、凄い熱じゃない。救急車の方がー、え、連れてくの、じゃあお願い」
「えっ、まだ本番中じゃないかっ、どこへ連れて行こうとーゲホゲホゲホ! あっ血だ、俺はもうダメだぁ」
「咳で喉を切ったのよ、早く連れてって。ーーフゥ、迷惑なまきぐも君ね。ねえ、まだ時間ある? ・・・・・・そう、じゃ少しだけ解説するわね。
今回は『走れ!』よね、これは教育隊でのことを書いているのね。作者が入隊したのは長崎県佐世保市にある教育隊で、周りを米軍の基地と山に囲まれた所にあるの。作者はここの226期練習員として入隊したみたい。ここで三ヶ月、次の術科学校で三ヶ月の合計六ヶ月の教育期間を経て艦隊に配属されるようになるわ。今は違うみたいだけど。これぐらいでいいかしら、後はまきぐも君が復活してからにしましょ。
それじゃあみんなー風邪に気を付けて、バイビーー」
ガタン、と終わりのフリップが落ちてくる。




