電車でゴー!
ども、最近首を痛めてる作者です。
私は時々電車通勤をしているのですが、仕事の関係上帰るのが夜の十時すぎなのです。その時間帯はなぜか面白い事が時たま起こります。例えば酔った女の方や、仕事で疲れているらしい女の子が乗車して来るのです。
先日もこんなことがありました。
十時過ぎともなると何とか座れる時間です。その日も空いてる席を見つけて座りスマホで小説を読んでいました。
一駅過ぎた時に隣の男性が下りたので私の隣が空きました、その時! ふとスマホから目を上げると黒いスカートがありました。そしてそのスカートはストン、と私の隣の席に落ちたのです。そのスカートの持ち主は小柄な人でした。
うん、やはり隣は男より女性の方がいいな。と思っているとー。
「ヒック……ケフ、ウー、ヒック」と、明らかに酔っているご様子でした。それになんて可愛い声だろう、エコーが効いて声優みたいだ!
こっ、これはー、ビックイベントだっ! もしかしたら私の肩に頭を乗せてお休みになられるかもしれない、もしそうなれば終電まで何往復でもしよう。
私は肩を少し下げて受け入れの準備をしたのだが、女の子は少し前かがみの姿勢になった。
あー、その体制で寝てしまうのー。と思っていると、私と女性の間にあった縦の手すりにコン、と頭をぶつけるとグリグリと頭を手すりに押し付けてきた。
な、なんて可愛い動物なのだろう! 手すりの冷たさが気持ちいいのかな? と思っているとグリン! と首が回り下から私を見上げて来た!
気にしているのを気付かれたかっ、慌てて小説を読んでるふりをした。
女の子は元の体制に戻ると、持っていたバックを開けて中身をゴソゴソとかき回しだした。
ホッ、気付かれてない。と安心したが電車が駅に着くなりスックと立ち上がり他の乗客を押しのけで下りてしまった。
結局肩の上で寝てくれなかった、寝てくれて涎まで流してくれたらその服は一生洗わないと誓えるのに。
さらにこんなこともあった。
その日は各駅停車に乗っていた、ある小さな駅に着くと下りようとしていた女の子かクルリと振り向き。
「この中に三名〇〇〇(聞き取れなかった)が居る!」と叫んで電車を降りてしまった。
私も電車の人たちも唖然となったが、私は悔しかった。なぜ即座に。
「なぜ分かった!」とか「違う、それは幻だっ!」とか「フッ、それは囮だ」など言い返さなかったのか。よい友達になれるはずだったのに……。




