和美の考えはー。なるー、そう来たか。
「3」「2」「1」「ドッカーン」
「わーい」「なぜなにじえいたい」
いつものスタジオに猫耳黒メイドの和美とその横に手にはめ込むタイプのまきぐも君が衝立の上に乗っている。
「どもー、解説の和美お姉さんだよ。そししてー」
「僕は護衛艦の妖精まきぐも君さ」
「えー、実は上の方からいい加減自衛隊の解説をやれ、と言われたので解説を再開しますね」
「上から言われたら仕方無いけど・・・・・・、お姉さん大丈夫? 幽霊の解説だよ」
「だ、大丈夫よ。あの青白くて丸い物の正体は分かったんだから」
「でも正体が分かっても対処方法がまだー」
「まきぐも君、対処方法は無いかもしれないわ。なにせあれの正体はー」
「何を言ってるんだい、絶対に何らかの対処方法はあるよ。一緒に捜そうよ」
「・・・・・・うん、そうね。ありがとう希望だけは捨てないで一緒に捜しましょうまきぐも君」
「それにしてもまきぐも君の村に居る花子さんて何者なの? あの正体を言い当てるなんて」
「あ、あの子は特別な子なんだけど普段は普通の子でさ、僕も良くわからないんだ。一応僕の妹でプリキュワが大好きな十歳の女の子だよ」
「特別な子? まあ私に付いている霊が今まで私が割ってきた別世界の地球霊ガイヤだつて見抜くのは普通の子にはできないわね」
「詳しくは話せないんだ、一応村の許可を取っていると言っても今までずっと秘密にしていたことなんだし」
「ええ分かったわ、そこのところは追々聞くから。それより護衛艦に出た幽霊の話しよ」
「聞く気まんまんだねお姉さん。あ、そうだねお姉さんがいいんなら幽霊の話ししないと又上から怒られるよ」
「うん、早速話しを進めましょう。作者はミッドウエー海戦で艦と共に沈んだ乗員の幽霊だと思ってるみたいだけど私は違うと思うわ」
「へぇ、お姉さんは目撃された白い影は何だと思ってるの?」
「みんな酔っ払いの仕業ね」
「よ、酔っ払い!?」
「そうよ、冒頭で堤海曹が酔っ払いを助けた話しがあるじゃない。今回のそれも酔ったので涼みに甲板に上がってきたのよ」
「でも急いで前甲板に行ったけど誰も居なかったってー」
「出入り口のハッチは沢山あるわ、きっと誰かが来たので急いで違う所から艦内に戻ったのよ」
「じ、じゃあ信号長が見たマストにしがみついていた影は?」
「あれも酔っ払いよ、酔っ払いは高い所に登りたがるのよ。若しくは信号長を驚かそうとしてたのね」
「ライトを当てたら消えたってー」
「まきぐも君、乗員が明るいライトを持ってるはずがないじゃない。みんなライトにはビニールテープ貼り付けて暗くしてるのよ、そんなライトでマストの裏に隠れたり下に下りたりした乗員を見つけるのは困難だわ」
「そ、そうか、そうだよね。なーんだそうだったのかぁ」
「フフッ、分かってくれたところで丁度時間が来たわね」
「うん、今回は切りがいいね。でもお姉さん」
「なに? まきぐも君」
「お姉さんは幽霊を認めたくない一心で解説をー」
「ば、バカね、そんなことあるわけけ、無いじゃない。ないない絶対ない!」
「・・・・・・まあいいか。それじゃあみんなー」
「「バイビーー」」
ガタン、と終わりのフリップが落ちてくる。