さてさて、村の秘密とは。
いつものスタジオにダラン、と下に垂れ下がるようにまきぐも君が衝立の上に乗っている。その横に本当に肩を何処かに落としてきたのでは? と思えるほど肩を落とし、目の下にクマが浮かべた和美が左右にフラフラしながら立っていた。
「・・・・・・」
「・・・・・・ハッ! お、お姉さんもう始まってるよ!」
「えっ? 始まってる・・・・・・、なにか?」
「番組だよ、なぜなにじえいたい」
「あ・・・・・・、そう言えばカメラの横で変な踊り踊っている人が居るわね」
「あれはADさんもうが始まってるってサイン出してるんだよ!」
「サイン? あーじゃあ色紙とサインペンをー」
「だからそのサインじゃなくて、番組が始まっているサインだよ!」
「番組が? 始まっている? ・・・・・・いつ?」
「あーもう! 今だよ、もう始まってるの。進めるよ、やあ! 僕は護衛艦の妖精まきぐも君さ。そして横に居るのがー」
「え、ちょっと待って、始まってるって・・・・・・なぜなにじえいたい!」
「そうだよ! さっきから言っているじゃないかっ」
「ゴメンまきぐも君、この一週間ほとんど寝てないもんだからー」
「それは僕も一緒だよ。さ、早く自己紹介」
「え、あ、う、や、ヤッホー、解説の和美お姉さんだよー、みんな元気してた? 私はねー、もうダメ・・・・・・」
「座り込まないでよお姉さん、ちゃんと立ってよ。眠いのは僕もなんだから」
「まきぐも君はいいわよね、ずっと座ったままで。でもこうなったのもみんな私のせいね・・・・・・ごめんなーぐー・・・・・・」
「本番中に寝ないでお姉さん!」
「ハッ、ゴメンまきぐも君座ったらダメね、そのまま寝てしまいそう。よいしょっー、あー、足に力が入らないわ」
「そうだよ。立ってないと寝てしまいそう、じゃなくて実際に寝てたけどね。しかしこうなったのは和美お姉さんのせいじゃないよ、みんなアレのせいだよ」
「そ、そうね、先週まで多くて週一だったのに今週は毎日なんて有り得ないわ! しかも私とまきぐも君がいい雰囲気になると必ず出てくるんだから」
「いや待ってよ、いい雰囲気になんかなってないからね。あれは僕がお姉さんに襲われそうになった時って言うんだよ!」
「それはまきぐも君が全然襲ってくれないからじゃない! せっかくピッチピチのジーパンはいて行ったのに、どういうつもり? やっぱりミニスカートで太股見せた方が良かったの?」
「そうじゃないでしょお姉さん! 僕はお姉さんに取り憑いている物が何か確認するために泊めたんだからね」
「あ、そうでした。んっん、・・・・・・て、アレが何か・・・・・・分かんないわよね?」
「ふっ、お姉さん先週僕の村に秘密がある、と言ったでしょ」
「もしかしてー、まきぐも君!」
「そう、そのー、人は僕たちの番組をずっと見てて、来週電話で番組に出てもいいと言ってくれたんだ。そのー、人に任せれば大丈夫さ」
「ありがとうまきぐも君! でも来週まで一週間・・・・・・どうするの?」
「が、頑張れ。と言う事で今週はここまで」
「待ってー見捨てないで、今晩も一緒に居てー」
「やだよ、いい加減帰れよ、ゆっくり寝かせてくれよ」
「そんな、私の膝枕で寝てもいいから、ね? 耳掃除もしちゃうから」
「う、そ、そんなことでー」
「あともう一押しね、下着姿で横潮固めや腕十時固めしてあげるー」
「で、出てけーー!!」
ガタン、と終わりのフリップが落ちてくる。