あー、閲覧数がメチャ減ってる。普通の解説に戻した方がいいのかな?
「3」「2」「1」「ドッカーン」
「わーい」「なぜなにじえいたい」
いつものスタジオに猫耳メイド和美の右横衝立上に、腕にはめ込むタイプのまきぐも君が乗っている。
「ヤッホーみんな、解説の和美お姉さんだよー。そしてー」
「・・・・・・お姉さん、話があるんだ」
「ち、ちょっと! まきぐも君、今は本番中なのよ? 自己紹介もせずにー」
「分かってる、打ち合わせ中ずっと考えてたんだ。本番で聞いた方がいいんじゃないかって」
「……聞くって、先週の事?」
「そだよお姉さん、先週は話してくれなかったじゃないか」
「だって先週はー、待ってまきぐも君、この番組はなぜなにじえいたいでー」
「だから分かってるんだ! だけど気になるじゃないか、お姉さんがあんなに取り乱すなんて。もしかしたらこれからも同じ話が出て来るかも知れないんだよ」
「うん……そうだね、でも自分でも信じられないのにまきぐも君に信じてもらえるかー」
「大丈夫、信じるよ。僕が今まで和美お姉さんを信じなかった事ってあるかな?」
「す、すごい自信ね。複雑な気持ちだけど、でもそこまで言ってくれるなら話さない訳にはいかないわね」
「そうそう、絶対に解決してみせるから。一応恩人だし」
「一応って……。まあいいわ、スーグッ、実はね・・・・・・ええい! 私が借りてるアパートに出るのよ!」
「出るってお姉さんの部屋が事故物件、てえこと?」
「いいえ、そこは入る前に確認してるわ。……出るのは何か普通と違うのよ」
「え? 普通と違うと言うとー、妖怪?」
「妖怪……とは少し違うみたいなんだけど、夜中声が聞こえるの」
「声?」
「そう、恨めしそうにーパッカーン…パッカーンんて」
「パッカーン?」
「その声を聞いた途端体が動かなくなって、そして何かが私の周りに集まって来るの。私、怖くて怖くてー」
「なるほど、分かったよお姉さん」
「えっ! もう正体が分かったの?」
「僕には分からないってえ事が」
「・・・・・・なによそれ、ちゃんと話したのに酷くない?」
「いやごめん大丈夫、僕には分からないけどちゃんと分かる人・・・知ってるから」
「ホントに? その人霊能者?」
「うーん、何と言うか、これは村の秘密なんだけど……」
「村の秘密? なら大丈夫よ、私達自衛隊の「秘」をもうー」
「いや、それとこれとは違うだろ! テレビで村の秘密を……うん、いい機会だと思えばー」
「そうそう、いい機会だね! 話しちゃって、話してスッキリしましょ?」
「・・・・・・なんか、やっぱり止めようかな」
「なんでよまきぐも君、私の為にひと肌脱いでくれるんでしょ?」
「誰もそんなこと言ってないよ! でも……一応村に連絡してからにしようかな。ちょうど時間だし」
「えーそんなー、じ、じゃあさ今夜はまきぐも君の部屋に泊めてくれる?」
「えっ! なんでそうなるんだよ!」
「うん、どうやら部屋に憑いてるわけじゃなくて私に憑いてるみたいなんだよね。だからもしかしたらー」
「お、俺の部屋にも出るってか?」
「そうよ、実際に体験してみてよ。本当に怖いんだから」
「よ、よし分かった、今夜からお姉さんを部屋に泊めるね。でも絶対に襲ったりしたらだめだよ」
「やったー! キュウリ三昧だー。え、襲う? あー……ウフフ」
「ちょ、和美お姉さん、念を押すけど絶対のぜーーったいにだよ」
「それじゃあみんなー」
「あっ、お姉さん」「バイビーー」「う、ば、バイビー」
ガタン、と終わりのフリップが落ちてくる。