ポイントが「くらま」の艦番号だったのに今は134ってどの艦の番号だろう。
「3」「2」「1」「ドッカーン」
「わーい」「なぜなにじえいたい」
いつものスタジオ、今日は和美の横に手にはめ込むタイプの小さなまきぐも君がヒョッコリと、衝立の上に乗っていた。
「どもーみんなー、解説の和美お姉さんだよー。そしてー」
「や、やあ、ぼー、俺が護衛艦の妖精まきぐも君だ」
「うーん、やっぱり心地無いわね。ま、しょうが無いか、リハビリだし」
「う、すまない。俺が不甲斐ないばかりに・・・・・・」
「いいのよ、そんな何回も謝らなくて。全部まきぐも君が悪いってえ訳でも無いんだし」
「いやしかし、俺の変身が解けた後が大変だったと聞いているんだが・・・・・・。どうも変身してからの記憶が曖昧なんだ」
「変身? あ、あれは緊急脱出装置を作動させただけよ?」
「脱出装置? そんな装置聞いて無いぞ俺は」
「えっ、博士はそんなことも話さなかったの? まきぐも君の第二煙突横にある短魚雷発射管があるでしょ」
「ああ、あれは基本的に魚雷なんで陸上では使えないと・・・・・・」
「左の発射管を左へ90度回してから無理やり引っこ抜くとね、蝉の脱皮みたいに背中が真っ二つに割れるから、そこから脱出できるのよ」
「90度回してから引っこ抜く?! 発射管は45度までしか回らないんだぞ。それに無理やりって何だ」
「被弾して火災が発生した時まきぐも君が気絶とかしてたら大変じゃ無い、まきぐも君は正義の味方と戦うために作られた怪人でもあるんだからね」
「そ、そうか、すっかり忘れていた。俺は怪人だったんだ」
「だけどそれがこんな形で役に立つとは思いもしなかったわ、この分だともう一つの右舷にある発射管の装置もいつか役に立つかもね」
「う、もう一つの装置? 悪い予感しかしねえな。それ絶対自爆装置だろ?」
「バカね、私達がそんな人道的じゃ無い装置付けるはずが無いわ」
「そ、そうか、安心したよ。で、どんな装置なんだ? 空を飛べたりするのか?」
「うん、飛べるよ。お星様になるぐらいに、キラーン☆てな感じで」
「おい、ハッキリ言え、どうなるんだ」
「右舷の発射管を引っこ抜くとね、艦尾から盛大にジェット噴射が始まるの」
「ジェットだと? それでただ飛ぶだけだよな?」
「いいえ、それじゃあ面白く無いじゃ無い。ちゃんと目標に当たったら大爆発よ、秘密基地ぐらいなら軽く吹き飛ぶわね」
「ただのミサイルじゃねえかっ! 自爆とかわらねえよ」
「自爆じゃないわよ、正義の味方を巻き込めるのよ。凄いことじゃない?」
「確かに自爆ではないかも知れんが・・・・・・、それ外すように言っといてくれるとー嬉しいな」
「…し、仕方無いわね、今回だけよまきぐも君」
「ありがとう、和美お姉さん。あ、もうそろそろ終わりの時間だよ」
「あらそうね、また解説できなかったわって、まきぐも君口調がー」
「あっとすまん、つい出てしまうな気を付けないと。しかしずっとこのままではやりにくい、何処かで妥協しないと」
「そうね私もやりにくいわ、今度考えましょ。今週はここまで。それじゃあみんなー」
「「バイビーー」」
ガタン、と終わりのフリップが落ちてくる。