観測船と煙突
さて、続きは沖縄方面です。
現在尖閣諸島では中国がご活躍の様ですが、私が居た頃はソ連がバリバリ元気でした。
私の前の世代では取り囲まれてソ連艦隊から空砲まで撃たれたそうです。
なので南の方からソ連の観測船が上がって来た、と情報が入れば訓練が終わって入港し、岸壁に着いたばかりだというのに舫いをほどいて出港しなくてはなりません。
あぁ、久々の三連休だったのに・・・・・・。
その海域に着くと、なるほど、白いレーダードームを幾つも搭載しているソ連の観測船でした。
私達は観測船から五千メートルほど離れて並走します。
まずは情報収集です。写真をパシャパシャ撮って艦名を確認、さらに絵まで描きます。
その後は領海から出ていくまでずっと付いていくだけです。
そんなある日、変な命令が下ります。
「朝の作動点検を中止せよ」とのことです。
私達は毎朝各種武器が正常に作動するか確認します。これを止めろというのです。
なぜ止めなければならないのか、それは観測船が挑発行為だと思わないように。だと言うのです。
方や取り囲んで空砲を撃たれ、こちらはただの動作確認もできないとは・・・・・・。
次は監視とは違いますが、航海中ロシア、中国、北朝鮮の船とすれ違う時は「情報収集用意」と号令が掛かります。
私達はこれらの船には煙突に赤い線が鉢巻きのように付いているので。
「あ! 鉢巻きです」と報告します。
旗は小さくて艦尾にあるので正面から来られると確認ができない、だから大きな煙突で判断します。
煙突は種類が沢山在りますがこの三国は似たような煙突をしていました、まぁ細部は違いましたが。