静まれ俺の左手! それは焦がしニンニクのポテチだ、カロリーがハンパない! 止めろー!!
「3」「2」「1」「ドッカーン」
「わーい」「なぜなにじえいたい」
いつものスタジオに着ぐるみのまきぐも君と幽体の和美が並んでいる。
「どもーーみんな元気ー、解説の和美お姉さんだよー。そしてー」
「僕は護衛艦の妖精まきぐも君さ。それでお姉さん、一応聞いとくけど何で今回もそのー」
「みなまで言わないでまきぐも君、分かってるの。でもどうしようもないのよ」
「ん? どうしようもない? それはなんでかなお姉さん」
「だって朝気付いたらここに居るんですもの、でもこれって凄くない? 交通費が全く要らないのよ。満員の電車やバスに乗らなくてもいいし」
「・・・・・・そうだね、お得だねお姉さん」
「でしょ? これからもこのスタイルでー」
「でもチョット待ってよお姉さん、これってズルくない?」
「え、ズルい? 何が?」
「だってお姉さんはこんなに頑張って仕事してるのに、本体の方は今もグーグーと寝てるんだよね?」
「そ、そうね、寝てるわね本当に気持ちよさそうに」
「うん、やっぱりズルいよそれ。お姉さんはここで確りと働いてるのに本体はずっとベッドで気持ちよさそーに寝てるなんて」
「んーそっかー、・・・・・・そうね、考えて見たらズルいわよね私の本体」
「だろ? もう今週はいいから来週は思いっきり叩き起こして来るといいよ」
「うん、来週は・・・・・・ってチョット、結局私が働くんじゃない!」
「チッ、バカのくせに気付いたか。兎に角俺がやりにくいんだよ、上も幽体にはお金払わなくてもいいんじゃね? とか言ってたぞ」
「えっ、そ、そんな・・・・・・。そんなことしないわよね? なんで返事しないの? まさか本当に・・・・・・フッ、いいわよそっちがその気なら一本ずつここの柱をへし折ってこのビル壊してやるんだから!」
「ま、待ってお姉さん、今本番中なんだから返事ができないだけだよ! 大丈夫、ちゃんとギャラはちゃんと出るから大人しくしてくれよお姉さん。だから来週は生身で来ような、な?」
「お・・・・・う、うん、まきぐも君がそこまで言うんなら、そうする」
「ふう、ならもう時間が無いから早く解説を始めようよお姉さん」
「そうね、では解説を始めます。先週整列は伝統の体罰と言ったのを覚えてる?」
「そ、そうだね、一体誰が始めたのか」
「私はね、これは各基地にいえ、町に掛けられた呪いだと思ってるの」
「町に掛けられた呪い? じゃあ佐世保や呉、横須賀全体に掛けられてるの?」
「うん、もし特別な魔眼を持っていたら上空に輝く大きな魔法陣を見ることが出来ると思うわ」
「お、おぉ、流石ラノベ脳」
「誰がラノベ脳よ! でもその呪いも年月劣化で少しずつ力を失ってるみたいね」
「マジで言ってるのお姉さん」
「なにょ、私なりに『整列』を書けって言ったのはまきぐも君じゃない」
「いやそうだけどいきなり魔法陣とか呪いだとか言われても・・・・・・」
「あ、大変よまきぐも君もうこんな時間」
「わっ、今回も少ししか解説できなかったね。次回は確りと解説してよお姉さん」
「・・・・・・」
「なんで返事しないの! ええい、みんなー」
「「バイビーー」」
ガタンと終わりのフリップが落ちてくる。