さてさて、ポイント増えてるかなぁ・・・・・・あ。
「3」「2」「1」「ドッカーン」
「わーい」なぜなにじえいたい」
「つけーー、担えー、筒!」
まきぐも君が号令を掛けると右手にライフルを持った和美がサッサ、と胸の前にライフルを引き上げ、左手に持ち替えると、今度は右手をライフルの銃床を下から持ち右肩に担ぐ。
「たぁーてー、筒!」
またまきぐも君が号令を掛けると和美はクイッ、と右手を引いてライフルを跳ね上げて左手でそれを保持すると右手で掴みなおして一気に右足の横へ下ろすと見せかけて止めてから、左手を銃口付近に添えてからダン! と叩き付ける。
「ゃすめーー!」
ライフルの上部を持ったまま右斜め前に尽きだして左手は腰の後ろへ。
「とまあこんな所ね、重要なのは脇を締めることよ」
「今週はまた挨拶も無しに始めちゃったね」
「あ、いけない。解説の和美お姉さんだよー」
「えっ、今から? えっと僕は護衛艦の妖精まきぐも君さ!」
「また挨拶も無しに始めるところだったわ。と言う事で今週はライフルを担いでの行進を解説するわね」
「今度は最後まで解説してよね、お姉さん」
「・・・・・・さて、普通に行進するには先程のようにライフルを右肩に担ぎます」
「無視かよお姉さん。まあいいけど」
「お許しが出たところで先週言ってたM1と64式の違いがここにも出て来るの」
「先週そんなこと言ってたっけ」
「言って無かったかも知れないけど気にしたら負けよ」
「またそれかよ」
「まきぐも君はあれね、話しの腰を折る天才ね」
「天才は褒めすぎだろ、秀才ではあるがな」
「クッ、一介の怪人のくせに言うようになったわね」
「こんな怪人に誰がした?」
「・・・・・・はい、私です」
「分かってるならいいんだよ、せめてなんかいないから。みんなアイツが悪いんだ」
「そうね、私は悪くないわ。みんなあなたのお父さんが悪いのよ」
「お、親父を悪く言うな!」
「な、なによ、まきぐも君が先に言ったんじゃない」
「俺が言うのはいいんだよ、他人に言われるのは腹が立つ」
「なんて面倒くさい。それに又言葉が変わってるわよ」
「ーあ、ゴメンお姉さん。僕ちょっと興奮しちゃった」
「じゃあ話しを戻しましょ。M1を担ぐときは引き金がある方を下にして銃床を立てて持つの、一方64式は引き金を内側にして寝かせて担ぐの」
「64式はカートリッジの所が邪魔になるんだね」
「そうなのよ、それとM1にできて64式にできないことがあるわ」
「あ、知ってるよ! 号令は銃組め! だったね」
「い、意外なことを知ってるのねまきぐも君は。そう、これは三丁のライフルを組んで三脚の様にして立たせるの。M1にはこれ用の楕円形の輪っかが銃口の下に付いてるのよ」
「たしかそれを知恵の輪のようにして組むんだよね?」
「ええ、でも今やれ、と言われても出来ないでしょうね。むずいものあれ」
「64式もやろうと思ったら出来るかも知れないよ」
「うーん、そうかも知れないけど私やりかた知らないの。あっと又々時間だわまきぐも君」
「そうだね、今日は速攻で終わろう。それじゃあみんなー」
「「バイビーー」」
ガタン、と終わりのフリップが落ちてくる。