ポイント増えたけど感想が来ないんだよー。
「3」「2」「1」「ドッカーン」
「わーい」「なぜなにじえいたい」
いつものスタジオが映し出され、猫耳黒メイドの和美と手足の短い着ぐるみのまきぐも君が手を振っている。
「ヤッホーみんなー、解説の和美お姉さんだよー。そしてー」
「ちょっとデカくなったけど僕は護衛艦の妖精まきぐも君さ」
「さてまきぐも君、早速先週の続きの解説するわよ」
「待ってお姉さん、その前にお便りが来てるんだ」
「えっ! まさか、嘘よ……嘘、この番組にお便りなんか来るはずないわ!」
「酷い言われ様だね、一応全国放送なんだから一通ぐらい来るよ。いや今まで来なかったのが不思議なぐらいだよ」
「本当に? もしかしてこのスタジオの爆破予告とかじゃないでしょうね!」
「違うよ! 怖い事言わないでよ、ほら僕の背中の艦橋ハッチに挟んであるから取って読んでみて」
まきぐも君が和美に背中を向ける。
「えっ、私が読むの? ええい分かったわよ」
和美はまきぐも君のハッチドアから手紙を抜き取る。
「さあ読んで読んで、お姉さん」
「う、うん……。えー匿名希望でペンネームが、ある名もなき妖精さん、から……って、これまきぐも君でしょ?」
「あ、ええーっ! まさかそんな、僕はそんな手紙出してないよー、ホントだよ僕嘘つかないしー」
「とぼけなくてもいいじゃない、こんな回りくどいやり方して。どうして直接聞かないかなぁ」
「…………だって、だってこの番組始まってからだいぶたつのにまだ一通も質問の手紙が来ないんだよ? ここらで嘘でもいいから手紙が来てることにして、誘ってみてもいいんじゃないかな」
「まきぐも君……、それじゃあダメよ」
「な、なんでダメなんだよ」
「この番組、作者が酔っぱらいながら書いてるのよ。そんな番組に手紙なんて来るわけがないじゃない」
「お、お姉さん、そんな根の葉も無い。いや、極秘事項をこんな所で言うなんてぇ」
「大丈夫大丈夫、魚雷ののことなんて時々「秘」が混じってるのよ。これぐらい大したことじゃないわ」
「そ、そうかもしれないけど……本当に大丈夫かなぁ」
「なによ、心配性ね。一応まきぐも君のお便り読んであげるねー」
プッ。
いきなり画面が真っ黒になってしまった。スイッチを操作しても角度を付けて叩いてみても画像が映らない。映らないったら映らない。