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ああっ、また自衛隊のこと書いてない。

「3」「2」「1」「ドッカーン」


「わーい」「なぜなにじえいたい」


 いつもの様にスタジオで手を振る猫耳メイド姿の和美。


「みんなー、元気ー? 解説の和美お姉さんだよー。そしてー」


「僕は護衛艦の妖精まきぐも君さ。お姉さん今日こそ魚雷の歴史から解説してよ」


 片手様のパペットから直立する護衛艦姿の怪人となったまきぐも君が短い手足をブンブンと振る。


「さ、さーて、先週は台風で非難して湾内に錨を打つ話しをしたので今週は投錨について解説するね」


 和美はまきぐも君を無視してカメラに向かいウインクをする。


「無視しないでよお姉さん、僕は短魚雷の話しが聞きたいんだよ」


 まきぐも君は体(艦体)を上下させて抗議する。和美は面倒くさそうにまきぐも君を見る。しかしカメラに向き直ると。


「・・・・・・でね、投錨は錨も重要だけど錨と艦体を繋ぐ錨鎖も重要な訳よ」


「・・・・・・」


 まきぐも君は無言で腹ばいになった、今度は蹴倒されないように両手両足を目一杯広げて踏ん張る。


「ま、まきぐも君いきなり戦闘態勢!? 分かったわよ、短魚雷の解説するから砲塔こっちに向けないで!」


 ジー、ジーっとモーター音を響かせて和美を追う連装砲を避けながら言うと、まきぐも君は連装砲の追尾止めてゆっくりと立ち上がー。


「よいしょっと、分かって貰えてうー」


「えい」


 和美はまきぐも君が立ち上がろうとしている所を両手で突き倒した。


「う、うぁあっ」


 ガシャン! と背中から倒れるまきぐも君。


「な、なにをー、あー! 対空レーダーが、マストがー」


 まきぐも君の部品が床に散らばる。


「あ、ごめーんまきぐも君。ついムカついたんでー」


 仰向けになったままジタバタとするまきぐも君。


「酷いよ、お姉さん。僕の背中には折れやすい物が沢山付いてるのにー、起こしてよー」


「はいはい、カメのまきぐも君。足踏ん張って」


 和美はまきぐも君の前甲板を掴むと、よいしょと抱き上げる。


「大損壊だよお姉さん、あちこち折れてヘコんでるよ」


「あによ、まきぐも君が大砲向けて脅したりするのがいけないんでしょ?」


「う、それはー、そうなんだけど・・・・・・。冗談ぐらい分かってよ」


 下を向いてボソボソと言うまきぐも君。


「分かってるわよ、分かっててやってるの」


「・・・・・・」


 ゆっくりと後ずさり、そしてクルリと方向転換してドタドタと走り出すまきぐも君。


「あ、何処行くのまきぐも君、戻って来て! まだ途中よー」


「和美お姉さんのバカー!」


「あーあ、行っちゃった。ねえカメラさん最近まきぐも君幼児退行してない?」


 カメラがコクコクと頷く。


「ずっと妖精やってるとそうなっちゃうのかなー。じゃあ今日はここまでにしましょう。まきぐも君が居なくちゃ始まんないしね。終わりのフリップ宜しくー、みんなーバイビーー」


 ガタン、と終わりのフリップが落ちてくる。

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