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台風は天敵だ。特に乗員には。

「3」「2」「1」「ドッカーン」


「わーい」「なぜなにじえいたい」


「はーい、復活の和美お姉さんだよー。そしてー」


「僕は護衛艦の妖精まきぐも君さ。いやー、先週は大変だったね」


「そうね、やっぱり骨にヒビが入ってたでしょ? 本当にぶつけた時メギョッっていったもん、メキョッって」


「お姉さんは骨にヒビが入ったぐらいで何でそんなに自慢げなのかなぁ」


「な、何よまきぐも君が病院に連れてくって言うから自分の車かタクシーで連れて行ってくれるのかと思ったら、何故にバス? どう言うこと?」


「お姉さんは連れて行って貰って文句を言うの? 大体僕は車の免許なんて持ってないし、タクシーなんて贅沢だよ」


「え、なに? まきぐも君免許持ってないの? あー仕方無いかーまだ二十歳だもんねー」


「クッ、そーゆぅお姉さんは免許持ってるの?」


「勿論よ! 車はギア付きも運転出来るし、バイクは限定解除でハーレーだって乗れるわ」


「・・・・・・嘘、マジで? でも車もバイクも乗ってないじゃん」


「今は・・・・・・ね、私十歳の頃から会社所有のテストサーキットで走ってたから」


「あ・・・・・・和美お姉さんは元々・・・・・・だったんだよね」


「あによ、もう昔の事よ。そんなことより自衛隊よ自衛隊、私ちゃんと用意してきたんだから」


「え、それこそマジで? お姉さんがちゃんと用意してくるなんてー、以外だよ」


「酷い言われようね、私もやるときはやるんだから。確か短魚雷が発射されてからの話しだったわね」


「そ、そうだね。もう何週も前の話だから僕も良く覚えてないんだよ」


「フフン、私はちゃんと覚えているわよ」


「でも久々だからもう一度最初から話した方がいいんじゃ無い?」


「え、・・・・・・最初、から?」


「そう、最初から」


「ぐ、具体的にはー何処ぐらいから話せばいいの?」


「そうだね、魚雷の歴史からかな」


「そんな、私そんなの話したっけ?」


「覚えて・・・・・・ないの?」


「う、うん。あ、そうだ! 今台風が九州に近付いてるじゃない、これに対する護衛艦の行動を話しちゃお」


「そんなー、うん・・・・・・タイムリーだからいいかも」


「でしょ、じゃあ早速。佐世保では台風が近付いて来ると休みの日で上陸してても艦に帰らなくちゃいけないの」


「じゃあ自分の家や家族守れないじゃん」


「そうね、でも隊員は第一に艦を守らなくてはいけないの。台風が来たら岸壁には付いてられなくなっちゃうから」


「あー、舫いが切れたり岸壁に打ち付けられたりするからね。でも何処に行くの? 外海に出て台風から逃げるの?」


「本当にヤバかったら逃げるかも知れないけど、基本は近くの湾内で錨泊するの。念のために錨を二つ打ってね」


「へえ、それで台風をやり過ごすんだね。湾内だから波も高くならずに安全なんだ」


「でも風は強いの、貨物船なんかも待避して近くに錨を下ろしてたりするんだけど、風で艦の方に貨物船が寄ってくることもあるので要注意よ。特に今回の台風は風が強いみたいだから」


「そ、それは危険だね」


「あっ、もうこんな時間、でも久々に自衛隊のこと話せたわ」


「そうだね、これで視聴率が戻ってくれれば万々歳なんだけどな」


「フフッ、どうなのかしらね。それじゃあみんなー」


「「バイビーー」」


 ガタン、と終わりのフリップが落ちてくる。

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