何故だ、何も書いてないのにポイントが増えていた。
「3」「2」「1」「ドッカーン」
「わー「お姉さん大変だよ!」
「ちょ、どうしたのまきぐも君!? 挨拶も終わらないうちに」
「兎に角大変なんだよぉ」
「落ち着いて、打ち合わせと全然違うじゃない」
「し、仕方ないよ今そこで聞いたんだよ」
「聞いたって、何を?」
「驚かないで聞いてね、取り乱して裸踊りなんかしないでね?」
「しないから! 早く話しなさい!」
「そう、残……じ、じゃあ話すけど」
「待って、今残念って言いかけたわね?」
「実はこの番組の視聴率なんだけどー」
「無視かい! え、視聴率?」
「そう、視聴率が……視聴率が最近ずっと一桁なんだ! なんたなんだなんだ……」
「ひ、一桁? なんで? どうして? 私達あんなに頑張ったのに!」
「うん、正直僕だけしか頑張ってないけど。強調する為にエコーをかけてみたよ」
「や、やっぱり作者が急に出しゃばり出したり『なぜなにじえいたい』なのに最近自衛隊の話を一切していないのが原因、とか?」
「たぶん、いや絶対そうだよ。作者は出禁だね、それとお姉さん、今からでも遅くないよ魚雷の続きを話してよ」
「ええっ! そんな急に言われても今日はまきぐも君の村での話だったのに」
「仕方ないよ、このままじゃ終わるよこの番組。いいの?」
「だめよそんなの、今月市民税払ってないのよ。また来ちゃう督促状が! また生命保険差し押さえさらちゃう」
「お姉さん……、今度キュウリ持ってくね」
「ありがとうまきぐも君! って、まきぐも君のキュウリは嬉しいけど違うでしょ、視聴率の話!」
「そうだった、お姉さんお願いだよ、また自衛隊の話をー」
「したいのは山々だけど……、今日は無理よ」
「なんでだよ、魚雷の続きがあるじゃないか」
「そうなんだけど間が空きすぎてるし、何より私昨日足に致命傷を受けてるの。それが痛くて集中できないの」
「足に致命傷? 意味が分かんないけど、そう言えば今日はビッコ引いてたね」
「ええ、昨日の朝の事よ。急に雨が降って来たんで部屋の窓を閉めようと急いだの、そしたらタンスの角に左足の小指をぶつけてしまったの」
「あードジだねお姉さんは。でも良くある事だよね? それぐらい」
「それぐらい? 今回は違うわ、小指をぶつけた瞬間メキョ、って音がしたの、もう足を抱えて悶絶したわ。それに頭も痛くなるし赤黒く腫れちゃうし、昨日より今日が痛いし」
「え、痛みが酷くなってるの? それはー病院に行った方が良いんちゃない?」
「で、でも病院の先生にタンスの角にぶつけました、って言いずらいのよ乙女としては」
「なにが乙女だよ、そんな歳でもないだろ? さぁ行くよ病院へ。控え室で変身解いて来るからスタジオの出口で待っててよ」
「連れてってくれるの? まきぐも君。あと歳は関係ないから。でもいいの?」
「はいはい、仕方ないじゃないか怪我人なんだから。おっと忘れる所だった、せーの」
「「バイビーー」」
ガタン、と終わりのフリップが落ちてくる。