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続きは初めてのスタジオの外。
「3」「2」「1」「ドッカーン」
「わーい」「なぜなにじえいたい」
「……や、ヤッホー、みんなー、解説のお姉さんか、和美だよー」
『んっ、や、やあみんな、護衛艦の妖精、だったよね? まきぐも君だよーあ、さあ』
「も、もう、まきぐも君たら自分の事忘れたらダメじゃない」
『ゴメンゴメン、で、今日は、今日はなにをー……』
「き、今日は先週の続きで魚雷のー、魚雷の……」
「・・・・・・・・・・・・」
和美は右手を差し込んでいるまきぐも君のマペットを睨む。
「まきぐも君! なんで居ないの!? もう本番始まってるんだよ! まきぐも君!!」
クワッ、とカメラを睨む和美。
「と、言う事でみんな! 私はこれからまきぐも君を探して連れて来ます。必ず帰るので待っててね!」
スタジオの出口へ走り出す和美。
慌てたため終わりのフリップが逆さになって落ちてくる、ガタン。