夏休みだね。
「あー今回も無事に終了っと」
「ねえお姉さん、武器の解説なんて大丈夫なの?」
「大丈夫よ任せて、四方山話読んでるから」
「よもやま? 何それ、不安だなぁ」
「あによ、そこまで言うのなら取って置きを見せてあげるわよ」
「取って置き?」
「チヨット待ってね。えっとー」
「なに自分の胸弄ってんだよ」
「うるさいわね、あった、これょっ!」
「うわっ! 何処から出してるんだよ、お姉さんの胸の谷間は四次元に繋がってるの?」
「まあ似たような物よ、それよりこれを見て、これを」
「ん? 黒い本だね、あ・・・・・・表紙に㊙って書いてあるよ。どうしたのそれ」
「フッフッフ、ないしょなんだけどぉ私が通っていた小学校の図書館隣の教室に、なぜか戦中戦後の武器に関する本が沢山あってね、掃除に入った時目に付いた奴を一冊くすねてたんだぁ」
「マジか、なんで小学校なんかに。今もその小学校にー」
「あー、もう無いんだって。何処かの図書館に寄贈したらしいよ」
「そうかぁ、で、その本には何が書いてあるのかな? お姉さん」
「うん、実はずっとご飯の時に鍋の敷物にしてたから殆ど汚れて読めなくなってるんだけど、追尾式魚雷のことが書いてあるみたい」
「㊙を鍋の下敷きにするなよ、じゃあ来週は追尾式魚雷の解説なんだね?」
「そ、そうね、そうなるわね。あ、でもでも㊙だからね、あんまり解説すると捕まっちゃったりするかもだから程々にーね?」
「悪の組織が今更何を言ってんだか」
「私は、私は今・・・・・・あそことは一応縁を切ってるから・・・・・」
「えっ、ちょっと待て。縁を切ってる? お前の姉さん達が遊びに来てるじゃないか」
「あー、あれね。真弓お姉ちゃんは私を呼び戻そうとしてるから、でもお婆ちゃんは・・・・・・たぶん許してくれない」
「おいおいおい、僕の就職先はどうなるのさぁ」
「あ、それは大丈夫だと思う。今秘密結社部門立て直しているところだから」
「そ、そうか、和美お姉さんも色々大変なんだね」
「まきぐも君・・・・・・」