入港ゼンザイ食べたいな。
「3」「2」「1」「どっかーん」
「わーい」「なぜなにじえいたい」
「ふっふっふっ、調べてきたわよ」
「ちょっと待って和美お姉さん、目の下のクマから寝不足なのは分かるけど先ずはみんなに挨拶でしょ?」
「あ・・・・・・、そうだったわね。…みんなー、元気? 私はークー・・・・・・」
「和美お姉さん立ったまま寝ないで! 起きて」
「ハッ、ごめんなさいまきぐも君。久々と言うか、こんなに勉強したの始めてよ」
「お姉さん、こんなになるまで一体どんな勉強をしたんだい?」
「それはもう夜中までネットサーフィンしまくってー」
「今日日聞かないよネットサーフィンなんて。それにそれは勉強じゃ無いよ! ただネットで情報を集めただけじゃない」
「えーー、こなに努力したのは始めてなのにー」
「・・・・・・まあ努力は認めるよ。で、ちゃんと纏めてきたんだよね? 前にも言ったように僕が認めないとご褒美は無しだからね?」
「分かってるわ、任せて! 今回は自信ありなの。今回のテーマはズバリ夜食よ」
「えっ、僕は食事全般のつもりだったんだけどー」
「そんな全般にしたらまた広く浅くになっちゃうわ、園芸用の小さなスコップじゃそんなに広く掘れません」
「んー、そうだね。それじゃあ和美お姉さん、『夜食』について解説をお願いするよ」
「了解よまきぐも君! 先ずは夜食の時間帯ね、夜食が配られるのは巡検終わりがマイクで放送された後。時間にすると大体八時ぐらいになるわ」
「巡検の進み具合で多少時間がずれる事があるんだよね?」
「え、まきぐも君も調べてきたの?」
「いや僕は護衛艦の妖精だよ、それぐらいはー」
「ああ、そんな設定だったわね」
「設定とか言わないでよお姉さん」
「はいはい、んで巡検が終わったらいよいよ夜食なわけよ。夜食は朝昼晩の三食とは違ってお椀一杯ですませられるのが殆どなの、まあそこにカップ麺が含まれるけどね。一番多かったカップ麺は何と言ってもヤキソバUFOで、他はサンドイッチとか軽ーく食べられるものが多いわね」
「へえ、結構調べたね」
「えへへ、でもこれだけじゃ無いのよ。まきぐも君出航オジヤ、入港ゼンザイって聞いたことない?」
「あ、それ何か聞いたことがあるかも」
「まきぐも君なら知ってると思ったわ、これは出港したその日の夜食がオジヤで入港する前日の夜食がゼンザイという昔からの伝統ね。多分今も続いてるんじゃないかな」
「おおっ、凄いよお姉さん。それで昔からっていつから? なんで出港がオジヤで入港がゼンザイなの?」
「えっ、えーとそれはー、うーん多分分からないほど昔からで、なんで決まっているかはー、オジヤはお粥みたいで作りやすくて、ゼンザイは無事帰って来たオメデトーてな感じなんじゃー、ないかな」
「今適当に思いつきで答えたねお姉さん?」
「えっ、いやーあっ! まきぐも君もう時間だよ」
「誤魔化さないでよ! あーでも本当に時間だね。チッ」
「そうそう、残念ねこれからなのに。それじゃーみんなー」
「「バイビーー」」
ガタン、と終わりのテロップが落ちてくる。