苦し紛れのかんがー。
「ご飯食べるから今日はここまで」を更新してます。
「3」「2」「1」「どかーん」
「わーい」「なぜなにじえいたい」
「はーい、みんなー元気だった? 解説の和美お姉さんだよー。そしてー」
「……護衛艦の妖精、まきぐも君です」
「どうしたのまきぐも君、元気ないよー。さあもっと元気だしてー」
「う、うん、和美お姉さん。じゃあ、一つ聞くんだけどぉ」
「なになに」
「テーマどうすんの? 何について話すのか決めたの?」
「……うん、決めたよ。この小説の一話から解説していこうかなーって」
背中からノートパソコンを引っ張り出して、まきぐも君に開いて見せる和美。
「この小説? 体験談? ん? 何を言ってるんだいお姉さん」
「これね、海自のこと書いてるの、でもね、意味が分からない所が所々あってね、だからー、うー」
涙目の和美。
「こんな物を出してくるなんて、相当追いつめられてたんだねお姉さん。いいよ、それで行こう。僕が何とかホローするよ」
「あ、ありがどーまきぐもぐんー。うっうっ」
ダムが決壊したみたいに肩を震わせボタボタと涙を流す和美。(鼻水も)
「泣かないでお姉さんほら、そろそろ始めないと時間がないよ。これで顔をふいて」
一度引っ込んだまきぐも君はハンカチを咥えて出て来た。
ノーパソを下に置いて、ハンカチを受け取った和美は鼻にあてると。
「ズビーー! ありがとうまきぐも君、あ、グチャグチャになっちゃった」
「いいよ、あげるよそれ」
ニッコリと笑ってホーイ、とハンカチをゴミ箱に投げる和美。
「えーー!」
「なに、まきぐも君」
「いや、いいんだけどね、あげた物だし」
「しゃあこの小説と言うか体験談を開設するね、題名は『海上自衛隊物語(昔の)』で、三十年前の体験記らしいのよ」
「……へ、へえ、そんな前のこと良く書けるよね」
「そうなの、だから記憶があいまいで、かなり間違ったことも書いているわけ」
「なるほど、それを和美お姉さんが修正して解説していくんだね?」
「えっ、そんなの出来ないわよ。ただ気軽に突っ込みを入れて行こうかなーって思ってるの」
「……お姉さんらしいね、分かったよ」
「あとこれを書いてる人は一分隊の魚雷員だったから、だいぶ一分隊に偏ったことを書いてるわ」
「あー、他の分隊の知識が殆ど無いんだね」
「それじゃあ第一話から行くわね」
「おーっとお姉さん、またまた時間だよ」
「えー、また? 仕方ないなー、じゃあ続きはまた来週ね」
「うん、それじゃあみんなー」
「「バイビーー」」
ガタン、と終わりのテロップが落ちてくる。
「それじゃーお疲れ様でしたー。うっ、放してよお姉さん。痛いよ」
まきぐも君の胴体をワシッ、と掴んだ和美がまきぐも君を衝立を挟んで引き寄せる。
「逃がさないわよまきぐも君、どうするの、私達と戦うの? それともー」
「う、ずっと、ずっと悩んでいたんだ。大学でこのままヒーロー学科に居座るのは無理なんじゃないかつて」
「えっ、一寸待って、今大学? ヒーロー学科って言った? まきぐも君てー」
「ああ、僕今年大学一年で、一浪して二十歳なんだ。ここではバイトだよ」
「ええっ! 年下?! バイト? え、えーー!」
「落ち着いてお姉さん。やっぱり今のヒーローは細マッチョで美形男子じゃないとダメらしい、僕みたいな顔が濃くて体がデカイ男は怪人向きなんだ」
「ハァハァ、以外過ぎて一瞬意識が飛んじゃったわ。絶対三十は超えてるって思ってたのに」
「ハハ、良く言われるよ。だから今度怪人学科に変更しよう思っている」
「そう、もうまきぐも君と戦わなくていいのね?」
「そうだな、それより大学卒業したらお姉さんの所に就職したいんだが……、開店休業中だったな」
「ええ、でも近いうちに復活するかもー、ね」