一応の終わり?
「3」「2」「1」「ドカーン」
「わーい」「なぜなにじえいたい」
衝立の上のまきぐも君と睨み合う和美。まきぐも君はパッ、とカメラ目線にして。
「やあみんな、さっきはチョット見苦しい所を見せてしまったね。まきぐも君は反省してる、勿論和美お姉さんも、だよね?」
いきなり話を振られて焦る和美。
「えっ、あ、えーとそうね、私も反省してるわ。ご、ゴメンナサイ」
「じゃあ最終回の解説始めようか、サイドパイプだったよね?」
「だから最終回ってなに? 聞いて無いんですけど」
「仕方無いじゃ無いか、僕は君の正体を知ってしまったんだから。と、言う事で始めてよ」
「私の正体って、もう十年も前に廃業した組織で私も力を封じられている状態でー」
「あー大丈夫、お姉さんの家、アジトつぶしに行くから。ささっ早く」
「あーもう! 分かったわ、受けて立ちましょう。でも思い道理にはさせない、今回解説するのは『免許』についてよ。サイドパイプは次回にするわ」
「えっ、もう次回は無いのに・・・・・・。まあいいか、じゃあ『免許』について教えてよ、自衛隊はどんな免許でもタダで取れるって本当?」
「タダで取れるのは本当よ、でもね何でも取れるわけじゃ無いの」
「えー、どう言うこと? イメージ的にトラックの免許から調理士免許まで色々取れる感じなのに」
「はいはい、ちゃんと解説するからね。まず大型トラックの免許は陸上だったら直ぐ取れるかも知れないけど海上は無理ね。一応退職者向けにはあるのだけど相当なコネが無いと無理ね」
「あぁそっかあ、海上にはトラックが少ないよね。教習所もそんなに無いんだ」
「それと他の免許は分隊が関わってるの」
「分隊?」
「そう、まず1分隊は内火艇を運用するから四級小型船舶、現在は二級になってるみたいね。これが取れるわ」
「へえ、漁船やモーターボートが操縦できるんだね。で、他には?」
「1分隊はそれだけよ」
「えっ! たった一つだけ?」
「そうよ、で、2分隊は航海、通信、気象等色々と選択できるの」
「へえ、1分隊とはかなり違うね」
「1分隊は攻撃分隊だからね、免許はあんまり関係無いのよ。陸上に下りない限り。つぎは3分隊なんだけど機械整備や危険物、等々の免許が取れるわね」
「機関科だから多いよね」
「んで4分隊は調理師免許だね、栄養士なんかも取れるかも。五分隊は航空機部隊だから良く分かりません」
「ヘリコプターの整備免許じゃないかなぁ」
「そ、そうね。と言う事で免許はこんな感じかな。じゃあ今日はここまで、来週はサイドパイプよ」
「だから今日が最終回だから無いよ来週は」
「あるもん! もし無くなったら私の借金払ってくれるの?」
「誰が払うかっ! おっと、じゃあ今までご視聴ありがとうございましたー」
「又来週ー! バイビーー」
「あっ、お前ー」
ガタン、と「おわり」と書かれたテロップが落ちてくる。
「あー終わったー、来週も宜しくお願いしまーす。あれ? どうしたのまきぐも君」
「僕はね、ずっとお姉さんの所の組織を捜してたんだよ。十年前、親父が決着をつけると言って帰って来なかった・・・・・・。今更仇とか言わないが、ケジメは大切だ」
「ちょっと待って、私のお爺さん組織の首領とまきぐも君のお父さんは確かに戦ったわ、けれど戦っているうちに意気投合して飲みに行っちゃったの」
「親父が? 首領と飲みに・・・・・・あり得る。酒大好きだったし組織の首領は敵ながら凄い奴だ、とか言ってた」
「お爺ちゃんも最近の若いのにしては骨のある奴だ、とか褒めてたし。だけど飲んだ勢いで時代はアメリカだー! って話になって二人してアメリカに渡って向こうのヒーローにボコボコにされたらしいの」
「なに! それは初耳だがーあの親父だからあり得る」
「日本に帰ってきてるみたいだけど、恥ずかしくてちゃんと顔が出せないみたい。十年たっても。だから組織も解散したの、もう私の家族しか残って無いわ」
「そうか、それはすまなかったな。親父のせいでそんなことになってるとは思わなかった」
「いいえ、分かって貰えて嬉しいわ。そう言う事で来週もー」
「ああ、続けよう」
「ヤッター! マーン」
「お姉さん結構古いよな」
「ウッ」